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伊藤ハムの鈴木智統さん

伊藤ハムの鈴木智統さん

伊藤ハムが家庭向け加工食品の販売を伸ばしている。新型コロナウイルスの感染拡大で家庭で食事をとる消費者が急増するなか、首都圏の大手スーパーを担当する鈴木智統さん(36)は売り場の変化を見極めて、品切れを防ぎ、定番商品や新商品を的確に供給し続けている。開発や生産など様々な担当者の思いを背負う、熱い営業姿勢で成果を上げている。

鈴木さんは売上高の大きい重要な得意先を受け持ってから、販売成績を2年で約4割伸ばした。特に看板商品のソーセージ「The GRAND アルトバイエルン」に高い目標を設定してきた。

「絶対に売り場には穴をあけない」。2020年春、鈴木さんは固い決意で営業に臨んでいた。コロナ下で消費者が次々とスーパーを訪れ、棚に並んだ商品が勢いよく売れていく。想定を超える事態だったが、得意先のバイヤーと毎日のように電話し、仕入れの量や品ぞろえをきめ細かく詰めていった。

時には競合メーカーが商品を供給しきれず、空いた棚を伊藤ハムの商品で埋めたこともあった。鈴木さんは「最も忙しい1年だったが、困難に立ち向かい充実していた」と振り返る。

入社6年目に縁もゆかりもない北海道に赴任したのが、営業職として成長する契機になった。北海道はプロ野球の北海道日本ハムファイターズの本拠地で、ライバル商品が消費者にも浸透している。鈴木さんは入社から首都圏担当の営業部署で営業成績を上げてきたことが評価され、北海道内のシェア巻き返しという長年の課題を任された。

道内では季節商品「キッチンデリ シチューパイ」の売り上げを大きく伸ばした。同商品は例年秋に発売し、翌年2月末に販売を終えていた。ただ、北海道は3月も寒さが残り、他地域より需要が続く可能性があった。鈴木さんはさらに祝日や連休など「ハレの日」の販売が好調な傾向に気づき、3月3日のひな祭りにシチューパイを大々的に売りこもうと考えた。

ひな祭りにシチューパイで「プチパーティー」を開く、という切り口で得意先に提案したところ、大きな受注を獲得した。社内の様々な部署に掛けあって、数量を何とか確保した。さっそく売り場でシチューパイを目立つように展開すると、得意先のスープ売り場は前年同月比で2.7倍の売上高を記録した。

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