患者数少ない希少疾患に立ち向かう 家族会で思い共有

「ふくろうの会」は患者や家族にとって貴重な意見交換の場となっている=原田さん提供

希少疾患は患者数が極めて少なく、症状が目に見えないことなどから、周囲の理解は不足しがちだ。悩みを抱え込み、不自由な日常生活を送る患者は少なくない。孤立しやすい状況にあるなか、思いを共有できる場として、家族会が支えになっている。関係者は「病気に立ち向かうには、家族会の存在が欠かせない」と指摘する。

「我が国の遺伝子治療は海外に後れを取っているのではないか」「新型コロナウイルス禍で感染リスクをどう考えるべきか」。5月23日、オンラインで開催されたシンポジウムには計72人が参加し、活発な意見が飛び交った。

主催したのは希少疾患の一つ、ファブリー病の患者や家族による「全国ファブリー病患者と家族の会(ふくろうの会)」だ。国ごとに定義が異なるが、日本では患者数が5万人未満が希少疾患とされている。大半が遺伝性で治療薬が開発されていない疾患も多い。

同会は2002年に設立。会員数は現在、約900人に及ぶ。2014年10月に一般社団法人となり、年5~6回、各地でシンポジウムなどを開催。「誰にも言えないこと」「周囲に理解してもらえない悩み」を共有してきたという。

ファブリー病は遺伝性の疾患の一つだ。必要な酵素が体内で正常につくられず、発作的な痛みが走ったり、心臓や腎臓に障害が出たりする。「見た目で分かりにくいこともあり、就学や就労するうえで苦労を強いられる患者が多い」と、同会の会長、原田久生さんは話す。

原田さん自身は患者ではないが、長男と孫がファブリー病を発症した。「会発足後、欧米などの医療情報を集め、行政や製薬会社に治療薬の認可を働きかけるといった活動を続けてきた」という。

様々な困難に直面してきただけに「同じような悩みを抱える患者や家族が情報交換する場は欠かせない」と話す。

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