学生時代から、リーダーになることに懐疑的な女性たち

国際NGO「プラン・インターナショナル」が世界19カ国の15~24歳の女性に行った19年の調査では、リーダーとしての能力に多少なりとも自信を持つ日本の女性の割合は27%と全体平均(62%)を下回った。20年に日本の学生男女千人に行った調査では「将来リーダーとして職場で責任のある仕事」を希望する女性は9%と男性の半数に留まり、女性は学生時代からリーダーになることに懐疑的だった。

背景には責任ある地位に就くには長時間労働をしなければならず、プライベートとの両立を諦めなければとの意識がある。育児や介護などケア労働との両立の難しさに加え、競争や押しの強さといった男性的なリーダー像と自分自身のイメージの不一致も一因だ。

日本政府は20年までに女性管理職の割合を30%にすると目標を掲げていたが、18年時点で12%と世界平均の27%を大きく下回る。「20年代の可能な限り早期に」と目標を先送りした。

改善には男女ともにワークライフバランスを実現する政策やジョブ型雇用の普及、クオータ制の導入などが急務だ。未就学児からジェンダー平等教育を進め、性別役割分業意識をなくすことも不可欠だ。自信がない女性をつくっているのは社会であり、女性の自己肯定感を高める教育なしには女性リーダーは育たない。

児玉治美
アジア開発銀行(ADB)駐日代表。国際基督教大学修士課程修了。国際協力NGOジョイセフにて東京本部やバハマに勤務した後、2001年から国連人口基金のニューヨーク本部に勤務。08年からADBマニラ本部に勤務。19年5月から現職。途上国の子どもを支援するプラン・インターナショナル・ジャパン評議員。

[日本経済新聞朝刊2021年6月7日付]