2021/5/27

同市西部にある「China長江 柳迫店」のギョーザは、主食として食べるギョーザを意識し、皮の食感にこだわって作った。つるっとした中にも歯触りがあり、香草や紅油の香りもアクセントになっている。店主の柳迫勉さんは「四川料理の師匠から学んだ古典的ともいうべき料理を提供していきたい」と話す。

あぶらやは自家製の黒ニンニクを使い手ごろな価格を実現

「こだわりラーメン あぶらや」(同市)は黒ニンニクを具に入れた。素材の黒ニンニクを口にすると、独特の甘みが広がる。代表の大森敬弘さんは「付加価値を出したいが、ラーメン店なので値段の高いギョーザは出せない」。そこで黒ニンニクを自家栽培して加工するなどコスト削減に取り組み、5個400円という価格を実現。「家族で、いつも食べられる食品というスタンスは崩したくない」

讃岐餃子は店内だけでなくテークアウトやネット販売を手がける店もある。ウェブサイト「かがわの食Happyプロジェクト」で確認できる。

<マメ知識>香川、ニンニク出荷は2位
 香川県は面積が全都道府県で最も狭く、耕地面積の広さも下位だ。また降水量が少なく、ため池に依存している。農業振興の観点で厳しい面もあるが、それでも全国有数の産地になっている食材がある。
 農林水産省の2019年産野菜生産出荷統計によると、ニンニクは収穫量で全国3位、出荷量では2位。ギョーザ開発で強みだ。また香川県によると、金時ニンジンは生産量が1位、たまねぎも上位。レモン栽培にも適し、こうした素材を使う店もある。意外に多彩な県産食材が讃岐餃子を支える。

(高松支局長 竹内雅人)

[日本経済新聞夕刊2021年5月27日付]