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ヤングケアラー支えたい 交流の場づくり、経験者動く

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NIKKEI STYLE

家族の介護や世話を担う18歳未満の子ども「ヤングケアラー」を周囲がどう支援するかが課題となっている。新型コロナウイルス禍もあって心身の負担はさらに重くなっているとみられる。ヤングケアラーだった人、現場で支援に携わる人に実情や悩みを聞いた。

「母の表情が暗くなり、仕事もやめてふさぎ込むようになった。私が母のサポートを引き受けるしかなかった」。こう話すのは坂本拓さん(30)。中学2年生で母がうつ病とパニック障害を発症。「誰にも相談できなかった」と振り返る。

厚生労働、文部科学両省が4月に公表したヤングケアラーの実態調査では中学2年生の5.7%、全日制高校2年生の4.1%が家族の世話をしていると回答。うち高2でほぼ毎日世話するのが47.6%。1日平均3.8時間を費やし、7時間以上も1割を超す。

ヤングケアラーに関する著書がある成蹊大学の渋谷智子教授は「子どもたちの負担が増す前に気づいてあげたい」と語る。

どう接点を持つか。支援する側は模索する。新潟県南魚沼市内の小学校などでは子どもや保護者からの悩みを聞く「だんぼの部屋」を開設。相談相手は主に卒業した子の保護者たちで、遅刻しがちな子に朝の家庭訪問などきめ細かく対応する。子どもから家族の話が出る機会も多いという。

こうした活動は発見のきっかけになる。学校の取り組みを手助けするスクールソーシャルワーカーの長田美智留さんは「子どもに家族のことを聞くチャンスは見逃さない」と強調する。

ただ国の調査で家族の世話について相談した経験があると答えたのは中2、高2とも2割程度。「誰かに相談するほどではない」「相談しても状況が変わるとは思わない」といった声も聞かれる。世話が日常となり、知らずに無理を重ねているのかもしれない。

 そんな当事者の内なる声を受け止めようと、ヤングケアラー経験者も動く。家族を介護する子どものオンライン交流の場「Yancle community(ヤンクルコミュニティー)」を運営する宮崎成悟さん(31)もそのひとりだ。

チャットやオンラインイベントを通じ、参加者に思いや支援情報を共有してもらう。「15歳の時に母が難病を発症。2年遅れで大学に進んで就職したが、3年目に介護離職せざるを得なかった」という自身の体験が原点にある。

うつ病などを発症した母を支えてきた坂本さんも今では精神障害の親をもつ子どもの会「こどもぴあ」を主宰。同じ環境の子や家族の集いを企画する。

「当事者を含め子どもたち自身が知識を深めるのも大事」と話すのは立教大学の田中悠美子助教。主宰する「若年認知症の親と向き合う子ども世代のつどい まりねっこ」では学校への出前授業を検討中だ。

厚労・文科両省のプロジェクトチームもヤングケアラーの早期発見や相談体制づくり、認知度向上といった支援策をまとめた。ただ家族による介護が基本という認識は根強いだけに、対応は容易ではない。南魚沼の長田さんも「子どもの負担が重くても、支援制度を利用しようとしない家庭が多い」と指摘する。

高齢社会をよくする女性の会の樋口恵子理事長は「ワークライフバランスにケアを加えたワークライフケアバランス政策が急務。家族に任されていたケアを見える化すべきだ」と訴える。

◇  ◇  ◇

当事者の思い 発信を

高校3年生から10年間、母親の介護ときょうだいの世話を経験したフリーアナウンサーの町亜聖さんに自らの体験や思いを聞いた。

「幼い弟や妹が変わらず学校生活を送れるよう介護や家事をすべて引き受ける覚悟を決めた。2人の存在は精神的な支え。もし私がひとりっ子だったら人生は変わっていた」

「同級生には話さなかった。当事者にしか分からないことがあるから。母の親友のおばちゃんは私の苦闘を見かねて山盛りの唐揚げを食べさせてくれた。すべて黙って受け入れてくれる大人は必要だ」

「ヤングケアラーは同じ境遇の人を助けたいと福祉の仕事を選ぶ人が多い。私は縁あってアナウンサーになり、介護について発信する機会を得た。皆さんも発信してほしい。それが社会を優しくすると思う」

(相川浩之)

[日本経済新聞夕刊2021年5月26日付]

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