海外技術者に電子部品営業で直談判 上司からは大目玉
村田製作所 中島規巨・社長(下)
若い頃に社内にラグビー部を創部し、強豪チームとも戦った
■創業者とサシで高級料亭で食事。
若手の時、自分でラグビー部を創部して精力的に活動していました。携帯電話用の電子部品「スイッチプレクサ」を開発していた頃も顔を出していましたが、製品がヒットしたことで忙しくなり、徐々に参加できなくなっていました。
そんな折、滋賀県野洲市の職場に創業者の村田昭会長(当時)が訪ねてきました。「今夜、空いてるか?」と突然聞かれ、京都市内の高級料亭でごちそうになりました。
普段はめったなことでは緊張しませんが、雲の上の存在だった創業者と二人きりの食事はさすがに緊張しました。ヒット商品を開発したご褒美なのかもしれませんが、「30代の自分を創業者が食事に連れ出すなんて、優しい会社だな」と思いました。
■課長自ら顧客開拓も進めた。
スイッチプレクサは売れましたが、フィンランドの携帯電話大手ノキアへの売り込みは苦労しました。現地の大学教授を訪ね、卒業生でノキアに入社した技術者を紹介してもらい、電子メールを送ってなんとか会うことができました。しかし、勝手に技術者と接触したことが上司にばれて、大目玉をくらいました。