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マツキヨ「アルジェラン」 髪肌ケアをサステナブルに

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2021.6.14

マツモトキヨシホールディングスのプライベートブランド(PB)「アルジェラン」が、消費者からの支持を広げている。ヘアケアやスキンケアなどの商品群は、国産のオーガニック(有機)原料を追求したのが特徴だ。飲料の製造過程で余った果物など環境に配慮したサステナブル(持続可能)な原料の活用も始め、来店動機の創出につなげている。




ミカンやアシタバのエキスからシャンプー

アルジェランは2012年に誕生したPBだ。販路は主にマツキヨHDの店舗で、シャンプーやリップクリームなどの商品を展開している。ブランド開始以降、累計で1600万個以上を売り上げている。その特徴のひとつは、国産の原料にこだわっている点だ。

「地方や生産農家と共生するというメッセージを伝えたかった」。商品企画室商品開発課の櫻井壱典課長はこう話す。マツキヨHDの店舗は全国に1700店以上。PBで積極的に活用することで農家の経営維持につなげたいという思いがあると説明する。

3月に発売したシャンプーとトリートメントには「ウンシュウミカン果皮エキス」や「アシタバ葉エキス」などの国産原料を使った。もちろん、原料だけでなく使い心地などの機能にもこだわる。コメやエンドウ豆のたんぱく質で髪の表面を覆うキューティクルを閉じ、カカオやホホバオイルの油脂で髪表面を包み込む設計とした。

アルジェランの商品開発では、20年末時点で7600万人のカード会員の購買データや、SNS(交流サイト)の情報を解析する専門部隊と連携している。国産原料の活用やシンプルなボトルのデザインは、消費者の傾向を11セグメントに分類した中で、特に美意識の高い層に選ばれやすい要素だ。シリーズの売上高はリニューアル前に比べて10%以上伸びたという。