アップルウオッチ、医療機器に アプリで健康チェック

約30秒で心電図を記録できる

腕時計型端末の「アップルウオッチ」で心拍リズムの異常を知ったり、心電図をとったりするアプリが医療機器として今年承認された。不整脈の一種である心房細動の早期発見に役立つことが期待されている。専門医はアプリの有用性と限界をよく理解して活用してほしいとアドバイスする。

2月、慶応義塾大学病院(東京・新宿)の循環器内科。木村雄弘医師(医学部専任講師)は、外来を訪れた50代男性のAさんにアップルウオッチの心電図アプリでとった記録を見せてもらった。「何も症状はなかったのですが、突然不規則な心拍の通知があったので気になって」とAさん。

心電図アプリの判定結果は「心房細動」だ。木村氏はさらに出力された心電図の波形を読影し「心房細動が疑われますので専門的な検査で調べた方がいいですね」と告げた。心臓の状態を24時間記録するホルター心電計をつけてもらい、医学的検査の結果、Aさんは無症状の心房細動であると診断された。

心房細動は心房がきちんと収縮せず震えるように動くことで、脈がバラバラになる不整脈の一つだ。心房細動が続くと心房内の血液の流れがよどんで血栓ができやすくなるため、致命的な脳梗塞を合併することもある。脳梗塞を起こしてしまってから、その原因が心房細動だとわかることも少なくない。Aさんは全く症状がないケースだったが、アプリのおかげで早期発見につながり、合併症を起こす前に専門的な医療を受けることができた。

印刷した心電図の一部=慶応義塾大学病院・木村雄弘氏提供
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