ところが、これもあまりモノにはなりませんでした。多層基板の実現より、MLCCの小型化など個々の部品の進歩の方が早かったからです。

■ヒット商品開発し携帯電話が小型化。

私にとって初めてのヒット商品は、97年に量産を始めた「スイッチプレクサ」です。通信方式がアナログからデジタルに変わった携帯電話で、送信と受信で電波を切り替える部品です。訪日していたスウェーデンの通信機器大手エリクソンの技術者に焼鳥屋で回路図を見せたら採用されました。

最初、上層部はスイッチプレクサの製品化に反対しました。当時トップシェアを握っていた「デュプレクサ」という部品が不要になるためです。しかし、私は素直に言うことを聞く性格ではないので、気にせず進めました。スイッチプレクサにより、携帯電話は大幅に小型化しました。

あのころ……

1990年代の村田製作所を支えたのは普及が進んだ携帯電話だ。通信方式がデジタル化し、端末の小型化が加速した。村田製作所は同じデジタル通信方式だったPHSの部品で培った技術も生かしながら、新たな需要に応える部品を世に送り出していった。

なかじま・のりお 1985年(昭60年)同志社大工卒、村田製作所入社。13年取締役常務執行役員、17年代表取締役専務執行役員、20年6月から現職。大阪府出身

[日本経済新聞朝刊 2021年5月19日付]


管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


注目記事