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村田製作所の中島規巨社長

村田製作所の中島規巨社長

■1991年、仏部品メーカーに出向した。

入社した当初は積層セラミックコンデンサー(MLCC)の材料や製造工程の開発に取り組みました。MLCCは今ではスマートフォンやパソコンなどに必須の電子部品。しかし当時の私は違うことをしたくて、海外赴任を希望しました。

赴任先は電子部品を生産していたフランスのLCCトムソン。MLCCの積層技術を様々な分野に生かす仕事でした。積層に使うシートを薄くなめらかに作る技術の開発を担当しました。

趣味のラグビーにも打ち込みました。地元チームに片っ端から電話し、プロ選手もいる強豪チームに入りました。スクラムハーフとして、手の甲にカタカナでフランス語を書いてチームメートに指示を出し、公式戦にも出場しました。

一方、仕事はうまくいきませんでした。上司から「フランスまで行って、仕事ではなくラグビーで成果を出した」と思われていました。成果を出せずに2年あまりで呼び戻されました。

■帰国後、新製品の開発部隊に配属される。

当時、村田製作所が得意とする積層技術を使った製品はMLCCと、携帯電話などに使われる「LCフィルター」という部品のみでした。これらとは全く違う製品で市場を広げるための専門部隊が滋賀県野洲市の事業所につくられ、そこに配属されました。

懸命に取り組んだのが「セラミック多層基板」の開発です。MLCCやLCフィルターのような機能をIC(集積回路)で実現する技術です。今、村田製作所はMLCCで世界シェア4割のトップ企業ですが、当時の私は「MLCCはいらなくなる」という論文を書いたほど、多層基板の可能性を信じていました。

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