春になるとドイツの街のいたるところに小さな屋台が現れる。売っているのはドイツ語で「シュパーゲル」と呼ばれる白アスパラガスだ。
「今年のシュパーゲルもおいしいわよ」。よく晴れた4月の昼下がり、フランクフルトに近郊の農場から販売に来ているズフナーさんの屋台には、近所の人がひっきりなしに訪れた。
太く立派な白アスパラは1キロ15ユーロ(約2000円)。高級野菜といっていいが、白アスパラに目がないドイツの人々は長い冬が終わったことを喜ぶように買い求める。スーパーでも購入できるが朝に収穫した新鮮な地元産は農場直営の屋台ならではだ。