Men's Fashion

ワンピのニューアール 顧客すべてに「似合う」を提案

ブランド VIEWS

2021.6.3

婦人服の企画・販売をするスタートアップのnewR(ニューアール、東京・品川)は、独自企画のワンピース販売のほか、個人に「似合う服」の診断サービスや企業向け研修などを手掛ける。似合う服をマッチングできれば長く着続けてもらえ、結果的にサステナビリティー(持続可能性)の追求にもなるとの考えがある。新型コロナウイルスの流行下で苦境のアパレル産業でその理念は普遍的なものになりつつある。




コロナ禍の百貨店の立て直しにも貢献

「『似合う』は決めつけない。顧客の視点で見つけましょう」。2021年2月まで4カ月間、伊勢丹新宿店(東京・新宿)の子供服売り場で働く従業員が参加した研修があった。講師を務めたのがニューアールの中川かおり社長だ。

新型コロナで百貨店は大打撃を受けた。立て直しへ新たな販売手法を志向する中で、ニューアールに声がかかった。中川社長は商品視点ではなく、顧客視点で、それぞれの親子に最適な提案の仕方を従業員たちに伝授した。

17年に設立したニューアールの原点には、中川社長の中国在住時の出来事がある。弟が生まれて素直に甘えられなくなった娘のために、親子でおそろいのワンピースを自作した。社名とブランド名の「ニューアール」は中国語で「私の娘」という意味がある。親子で笑った顔が見たいという自身の思いから立ち上げた。

18年のブランド立ち上げ以降、独自に企画したワンピースをインターネット通販や百貨店の催事で販売してきた。さっと着られて服の上下で悩むこともないワンピースは働く女性の仕事着のほか、自宅での普段着としても最適だ。

こだわりは、単に商品の販売だけでなく、人によって違う「似合う」ものを提案すること。中川社長は骨格診断士などの資格を持つ。一人ひとりの顔や体形に合わせ、どんなワンピースが似合うかを診断し、最適な一品を提案してきた。