そのためには数字や具体的な行動、現象に触れる必要がある。例えば「メンバーの○○という行動が生まれた」など「自主性」を具体的かつ客観的に示すなんらかの事実を話してみよう。

面接ではこうした具体的なエピソードを通じて、面接官は入社後の働いている姿を想像する。つまり「再現性」を確認しているのだ。そのような観点から成功したエピソードを語るとよく面接官に聞かれることがある。それは「反対する人をどう説得したか」だ。

どんなことでも推し進めようとすると必ずと言っていいほど反対意見が出てくるもの。入社後も社内外でこうした人にどう対峙するかが重要になる。例えば「信頼関係を築くのが大切なので、日ごろからコミュニケーションを取った」など、自身のこれまでを振り返ってみて、常に答えられるよう準備する姿勢が肝要だ。

自己PRでは状況の説明より具体的な行動面に焦点を当てることが大事だ。まずはどのようなことを話すか全部書き出し、抽象化する部分と具体的な説明を残す部分を吟味して全体の構成を考えてみるとよいという。

一通り講評をしてもらったところで、西川さんは青木さんに対面の面接での悩みを打ち明けた。それは「例えば面接官が4人いた場合、目線をどこにやればいいのか」という問題だ。確かにオンライン面接ではそのようなことをは気にする必要はなかった。

これについて青木さんは「質問してきた面接官だけでなく、ほかの3人の面接官にも少しずつ目線を移動させながら話すとよい」と説いた。目線を合わせるのが苦手な人は、面接官のアイゾーン(眉間からネクタイの結び目)を捉えるイメージでいるといいそうだ。

コロナ禍では1次面接などの初期面接はオンラインで、最終面接は対面でというケースが多い。「自己PR」や「学生時代に頑張ったこと」などは会社側は初期面接で確認しているので、最終面接では表情や立ち振る舞いなど、「オンラインでは確認できないその人の雰囲気がよく見られる」という。

第一印象は二度と作れない

「お客様の前に出したときにどうだろうか」「うちの会社にフィットしているだろうか」といった視点で見ている。面接開始から終了までの流れでの振る舞いが大事になる。面接官とは初めて会う。第一印象は二度と作れない。最初の印象は非常に重要だ。

企業の受付を通る前に、コートをたたんで腕にかけたり、控室でも常にみられていることを意識して、携帯の電源も切ったりする。面接の入りもノックを3回して「失礼します」と言ってから入ることを意識しよう。こうしたことは知識として頭に入れただけでは忘れてしまう。あらかじめ家族やキャリアセンターに協力してもらって練習し、体にたたき込んだ方がいいだろう。

言葉遣いも重要だ。「どのような言葉が失礼に当たるか知らずに損するケースもある。正しい言葉遣いを知識として持っておくことも忘れてはならない」

ひところあった「圧迫面接」は鳴りを潜めているという。対面面接は怖くない。青木さんは「面接は自分の魅力を引き出してくれるものと、前向きにとらえるのが大事だ」と話した。

(鈴木洋介、赤堀弘樹)

[日経産業新聞 2021年4月7日付]

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