PBを大幅強化、商品さらに磨く

――ウォルマートの傘下で経営効率化を進めた結果、店舗や売り場が無機質になった面があるのではないですか。

「いままでウォルマートがやってきたことが違うということは全然ありません。コストを低減して価格を求める顧客に応えられるようになったのは良いことです。そこに加えて、従業員による商品の提案などによって、価格以外のニーズへの対応も強化していけば西友はすごく強くなります」

――日本の小売業では売り場でのスタッフと顧客の関わりを、より重視する必要がありますね。

「地域性や季節性、そして鮮度の重視など日本には独特の食文化があります。そういう要素への対応は少し弱かったかもしれません。ただ西友はそこに気が付いていたので、すでに修正に取り組み成果も上がっています。これからはすごい勢いで進むでしょう」

――大久保さんは、成城石井の社長を務めていた時など、品質にこだわったPB(プライベートブランド)商品を手掛けてきた印象があります。西友ではPBをどう活用していきますか。

「西友PBの『みなさまのお墨付き』は、消費者の声を取り入れて開発する優れた仕組みがあります。これが西友の命綱になると考えています。具体的な商品数などはまだお話できませんが、大幅に強化します。今の商品もブラッシュアップできると考えています」

――西友にはKKRと楽天DXソリューションが出資しています。彼らはIT(情報技術)で小売業を進化させる構想を持っていると思います。大久保さんはどんなビジョンを持っていますか。

西友の商品を配送する楽天の自動配送ロボ(神奈川県横須賀市)

「これからネット通販の普及が進んでも、リアルの店は必ず残りますし、進化すると思います。大切なのは、顧客が店に行こうと思う理由を我々がいかに強化できるかです。人間同士のコミュニケーションやエンターテインメントなどの要素が重要になるでしょう」

「ヒューマンタッチな店舗とテクノロジーは矛盾するものではありません。DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めて生産性や効率を上げれば、従業員には時間の余裕ができます。お客様のニーズに素早く、きめ細かく対応する人間らしい店を目指します。DXが進んで売り場から人がいなくなるなら、ネット通販で買った方が良いとなるでしょう」

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