カジダンへの道 家事は「楽」を追求し「楽しむ」ソウ・エクスペリエンス社長 西村琢氏

2021/3/30

家事は堅苦しく考えずにしています。家事の時間は仕事にも生きる。「アイデアをひねりだそう」と机にかじりついても名案は浮かびません。哲学者が道を歩きながら思いにふけったように、洗濯物を畳み、皿洗いをしていると思考が促されることも多いと感じています。

朝起きて、コーヒーをいれ、録画しておいた報道番組を2倍速で再生しながら洗濯物を畳むこともあります。すぐに畳めない洗濯物は、ホームセンターで買った大きな折り畳みケースに入れています。洗濯物がリビングなどの見えるところに散らばらず、かつ普段は畳んでしまっておけるので、おすすめです。

掃除機は電源コード付きのものを使っていましたが、社内で意見を求めたところ「賢者はマキタ」とのコメントをもらい、同社のスティックタイプを新調しました。消しゴムのかすなどさっと掃除機をかけられるので、とても重宝しています。あとはルンバも使います。子供がレゴ遊びに夢中だったときは、「レゴを片づけないとルンバにすわれるぞ~」と言って片付けを促しました。

我が家には食洗機はありません。洗い物をすぐできないときは、食器を下げたときに表面の汚れだけ水で洗い流しておきます。そうすると汚れがこびりつくこともなく、翌朝サッと洗えて時短につながります。

日用品を買い足すなど、地味だけど大切な家事は「見えない家事」と言われ、夫婦げんかなどの原因となりますが、我が家は買いだめはあまりしていません。トイレットぺーパーの在庫がなくなり焦ることもありますが、すぐ買いに行ける近所のスーパーを“冷蔵庫兼倉庫”として活用しています。せっけんがないときはシャンプーで代用するなど、「ないこと」をストレスと捉えないようにしています。

妻は3年前に起業しました。新型コロナウイルスが拡大する前は、国内だけでなく海外出張にも出かけていました。その間は家事や育児を私が担いますが、抜け落ちることもあります。給食がなく弁当が必要だったと直前に知った朝は、子供たちをファミレスに連れて行きました。朝食を頼むついでに「もう一つ、好きなものを頼んでいいぞ」と言い、それを弁当箱に詰めました。楽することで楽しむ余裕が生まれます。

物を探す時間が嫌いなので、できるだけあるべきところに戻すことを心がけています。不必要なものは持たず、いらないものは捨てる。人がいつも探し物をしているのを見るのも好きではないので、仕組みを作る工夫もしています。先日は家にあった四角い木の容器とドリルを使ってリビングに「充電ステーション」を作りました。ケーブルやコードが表から見えず、充電器を探すことも無くなったので、家族みんなで重宝しています。

西村琢(にしむら・たく)
1981年東京都生まれ。慶応大学卒業後、2005年に体験ギフトの企画販売会社ソウ・エクスペリエンスを設立。神奈川県逗子市在住。妻、10歳長男、6歳次男、0歳三男の5人暮らし

[日本経済新聞夕刊2021年3月30日付]

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