ビジネスSNSで就活 社会人の本音、選考に生かす

イラスト=強矢さつき
イラスト=強矢さつき

就職活動でのSNS(交流サイト)の使い方に新たな潮流が生まれている。ビジネスで使われるSNSを使い、会社の第一線で活躍する社会人と直接つながろうとする学生が増えてきた。就活向けに作られたお仕着せのサービスでは得られない実情や本音が聞けるとして重宝しているようだ。実態を探偵団が探った。

3月に東京理科大を卒業した男性はビジネスSNS大手の「リンクトイン」を使って10回ほど社員訪問を重ねた。興味がある企業の社員のアカウントから「海外赴任の経験」や「社内起業」などの経験を書き込んでいる社員を選び、自ら声をかけた。

会ってくれたのは30~40代の現場をよく知る中堅社員。マネジャーや課長クラスの社員もいた。現在進行中の営業案件や、新規事業開拓の意図を詳しく聞けたという。現場でどのような人材が求められているのかを教えてもらい、選考対策にも役立てた。「企業でやりたいことがはっきり伝えられるようになり、選考の通過率が上がった」

リンクトインはビジネスに特化したSNSで、世界で約7億4000万人が利用。同僚や取引先とつながったり、キャリアアップのための情報を探したりすることができる。フェイスブックのように友人や著名人をフォローし、出身大学や興味に応じて人とつながっていく。自身のキャリアやスキルを書き込んだプロフィルを見て企業がオファーを出すこともある。

「OB訪問アプリに登録しているのは若手や人事部の社員ばかり。最前線の社会人の話を聞くにはリンクトインが一番良かった」。これまでのOB・OG訪問アプリなどは企業側が選んだ社員をあてがうケースが多く、会社に都合の良い話しかせず参考にならないケースもある。リンクトインは登録している社会人なら自由に人物を選べる。

「前年の選考で聞かれたことを教えてもらった。面接では言われたとおりの質問が出て、練習通り答えられた」。早稲田大4年の女性はリンクトインで知り合った大学の先輩から助言をもらい、第1志望の企業のインターンに合格した。

挑んだのはインターンに参加しないと本選考を受けることすらできないという超人気IT(情報技術)企業。エントリー前に何としてでも情報を手に入れたかったが、周りにも詳しい人は見つからなかった。そこでリンクトインを使い、その企業で既にインターンとして働いている大学の先輩に声をかけたのだ。

模擬面接を通じてアドバイスを受け、オンラインで熱意を伝える話し方も教えてもらい、見事合格。リンクトインにこれまでに参加したインターンを一覧にしてプロフィルに書き込んだところ、他の企業からも声が掛かるようになった。志望業界の人事の目にとまるようにアピールし、さらなるチャンスを待つ。

ナビサイトにはない会社も

「新卒向けのナビサイトには載っていない企業に出会えた」。佐賀大出身の中谷優希さんはSNS「ウォンテッドリー」を通じて就職先を見つけた。ベンチャー企業を中心に約30社とオンラインで面談。会社の風通しの良さや事業の長期的なビジョンを聞き、自分のやりたいこととマッチする企業を探し出した。

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