2022年春卒業予定の学生の就職活動が早くも本格化している。新型コロナウイルス感染拡大の影響でこれまでの就活の常識が大きく変わるなか、学生たちは手探りで活動を進めている。一方で「売り手市場」が一変し、航空や旅行など一部の業種では採用抑制の動きが広がり、先行きへの不安も隠せない。学生たちの本音を座談会形式でまとめた。
――3月1日から大手企業の採用広報活動が本格的に始まりました。皆さんの現在の活動状況を教えてください。
野村さん 3月1日以前にはコンサルティングやゲーム関連の企業など3社のインターンシップ(就業体験)に参加しました。本選考は約6社にエントリーし、外資系コンサルに送ったエントリーシートが通りました。選考のためのビデオ動画を企業に送って選考待ちです。
村上さん 昨年6月から夏のインターンへの応募を始めました。これまでに5社のインターンに参加しています。今年は3月に入って外資系企業の本選考が始まっています。既に1社から書類選考の通過通知が来ており、面接の準備を進めています。
山崎さん 私は2社から内定をもらいました。ほっとしています。政府が決めた就活ルールの決まりでは3月がスタートのようですが、それにとらわれると出遅れてしまうと危機感を持っていました。本格的にスイッチを入れたのは昨年夏でした。インターンが本格化する中で、気持ちを切り替えました。
岡田さん 今年に入ってからは1日のほとんどを就活に費やしてきました。本当は卒論のために文献を読みたかったのですが、就活に想像以上に時間をとられて困っています。
野村さん 企業へのエントリーを始めたのは3月よりも前です。早めに動き始めたと思っていましたが、3月に説明会に参加して自己分析の甘さに気づきました。広告業界を目指していましたが、想像していたのと方向性が違うと感じました。そのためこの1週間は自己分析をし直しました。志望業界も変えて焦りを感じています。
――友人やゼミの同級生など、周囲の状況はどうですか。
岡田さん 早く就活を始めたつもりでしたが、周りはもっと早かったかもしれません。SNS(交流サイト)の書き込みを見ると既に内定を獲得した学生もたくさんいて焦ります。
宮本さん インスタグラムのストーリーで、リクルートスーツ姿で「これから面接に行ってきます」といった投稿をする友人を見るとイラッとします。自分は頑張っているというアピールをしたいのでしょうか。