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火坂雅志の未完作引き継ぎ完結 コラボ小説で新たな命

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NIKKEI STYLE

コラボレーション小説が注目を集めている。マンガの原案を生かしたり、未完作を完結させたり、戯曲を小説にしたり。バトンを引き継ぎつつ、新たな味わいを加えている。

漫画家、手塚治虫のライフワーク「火の鳥」は、その血を飲めば永遠の命が得られる鳥をめぐる人々の物語だ。古代から未来まで様々な場所を描いたが、「大地編」は昭和初期の中国大陸を舞台とする。ミュージカルの原案として構想されたが、実際には使われずにシノプシス(原案)だけが残された。それを直木賞作家の桜庭一樹が小説にした「小説 火の鳥 大地編」(朝日新聞出版)が3月5日に刊行される。

原作を大事に

「『火の鳥』シリーズは子供の頃から読んでいた。壮大さの中に個人の運命を描いた構えの大きな作品であり、世界文学全集に比肩すると感じていました」と桜庭は話す。大のマンガ好きで2017年から手塚治虫文化賞の選考委員を務めていることもあり、小説化の依頼があった。「やりがいがあるから引き受けた」

シノプシスではタクラマカン砂漠の一角で猿田博士がさまよう序幕と、1938年の上海で間久部緑郎少佐に猿田博士が火の鳥の話をする第1幕のみが書かれていた。「短い中にも必要な要素は全て入っていると感じた」と振り返る。

緑郎、弟の正人、その友人のルイ、清朝の生き残りである川島芳子らは火の鳥が生息するという楼蘭を目指す。そこに石原莞爾、山本五十六らが関わる。「近現代を舞台にすると、データをどう解釈するかも問われる。様々な著者の本を読み、バランスを取ることを考えた。その分、執筆中は他のジャンルが全く読めませんでした」と苦笑する。

心掛けたのは「原作を大事にすること」。火の鳥に新しい力を持たせたのも「その方が『火の鳥』らしいと考えた」からだった。

20年12月刊行の「北条五代」(朝日新聞出版)は、15年に急逝した作家の火坂雅志の未完作を引き継ぎ、作家の伊東潤が完結させた歴史小説だ。相模国(現・神奈川県の一部)を平定した北条早雲(伊勢盛時)から氏綱、氏康、そして豊臣秀吉の小田原攻めに敗れる氏政、氏直まで北条氏5代の興亡を描いた。伊東は3代氏康パートの途中から執筆を担当した。

リレーして完結

作家にとって途中まで書いた作品が日の目を見ないのはつらいはず、そんな思いが小説のリレーにつながった。「『全宗』『天地人』など火坂さんの作品はどれも読みやすく、王道をいく作家だった。この作品でも北条氏が『義』という理想を打ち出したことがよく分かる。文体(の継続)はあまり意識しなかったが、理念の部分はきちんと受け継ごうと考えました」

「戦国北条記」などの作品を書いてきた伊東にとって「北条氏関連では集大成のような作品」になったという。「地の利に恵まれなかったこともあり、北条氏は滅びましたが、理念の継承という点では今も参考になる点は多いと思います」

現役の創作者同士のコラボもある。作家の森見登美彦は20年7月、劇作家で演出家の上田誠の戯曲を小説にした「四畳半タイムマシンブルース」(KADOKAWA)を出した。「夜は短し歩けよ乙女」など森見作品のアニメ化では上田が脚本を担当したが、「逆もやってみたくなった」(森見)。

真夏の京都、「私」の住む学生アパートで悲劇が起きる。悪友の小津がリモコンにコーラをこぼし、エアコンが動かなくなってしまったのだ。ひそかに思いを寄せる後輩の明石さんと対応策を話し合っていると、モッサリした男子学生がタイムマシンに乗って25年後からやってくる。

「(05年刊行の自身の小説)『四畳半神話大系』の登場人物たちを出すのは久しぶりだったが、みんな好き勝手に動いてくれてよかった」。ストーリーの基となる戯曲があったことで、肩の力を抜いて書けた面もあったという。「原作」と対話しながら創作できるのも、コラボ小説を書く楽しみのようだ。

(編集委員 中野稔)

[日本経済新聞夕刊2021年3月2日付]

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