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ユニーの中川靖博さん

ユニーの中川靖博さん

中部地方で食品スーパーを展開するユニー。近年はコンビニエンスストアはもちろん、ドラッグストアなどとも激しい競争を強いられている。ユニーの小型店で店長を務める中川靖博さん(45)は、店の規模や店舗数などで劣る現状を逆手に「弱者に徹した戦い方」に活路を見いだす。

「お疲れさまです!」。愛知県半田市にある小型スーパー「ピアゴ ラ フーズコア 半田清城店」の売り場の裏では、従業員同士が元気に挨拶を交わす。「パートさんも含め、全従業員の力や、やる気を引き出すのが店長の仕事」と中川さんは自負する。

2020年6月に同店の店長に就任した。40代半ばでの店長は社内でも早い部類だ。周辺の競合スーパーに規模で見劣りするなか、入社してから蓄えてきた知識と知恵で勝負を挑んでいる。

入社は1993年。高校時代のアルバイト先の飲食店で、来店する顧客の笑顔が忘れられず、将来は接客業に携わりたいと考え、卒業後の就職先にユニーを選んだ。地元のスーパーとして小さい頃から通った愛着もあった。

中川さんの基礎になったのは若手時代の経験だ。店舗勤務でパート従業員や同僚社員から商品発注の方法や接客などの業務を幅広く学んだ。天候や味によって商品の売れ行きがどれくらい変わったか、明日はどれくらい売れるか――。卵や牛乳といった定番商品でも試行錯誤し、発注量や陳列方法を日々考えた。

本社で商品を仕入れるバイヤーを務め、店舗での副店長なども経験し、半田清城店が初めての店長職となった。そんな中川さんが心がけるのは「弱者なりの戦い方」だ。

お客様の求めていることは何か――。店作りで大事にするのは売り手の論理でなく、顧客目線での発想だ。たとえばクリスマスや年末年始。どの店もかき入れ時とばかりに人手やコストをかけて商戦に臨む。その際、規模に劣る店が同じような販促策を仕掛けても勝ち目は薄い。

ではどうするか。中川さんはあえてイベント用の売り場を縮小し、固定客に寄り添った商品を維持した。

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