常務で米国留学 『フリーフォール』を必死で読み込む東京海上ホールディングス社長 小宮暁氏

小宮暁氏と座右の書・愛読書
小宮暁氏と座右の書・愛読書
自然災害やコロナ禍……損害保険会社は激甚化するリスクの管理能力が問われている。読書を通じ、マネジメントのあり方を追求してきた。
こみや・さとる 1960年神奈川県生まれ。83年東大工卒、旧東京海上火災保険へ。2019年現職。麻布高校(東京)では剣道部主将を担った熱血漢。

大学で都市工学や都市計画を専攻しました。高校では数学や物理が得意でしたが、大学の教養課程の2年間で「もっと直接社会に関わることを学びたい」――。方向転換したんです。

万物を作ったのは神かもしれぬ。だが、人間が作った最大の創造物は「都市」です。『都市計画の世界史』の著者は大学の学科の先輩ですが、今も読み返すとワクワクする。都市にはその時代の人々の営みと思いが込められているし、完成形がない。古今東西、都市形成はドラマに満ちています。

人口が密集する大都市のあり方が問い直されています。今後の地方創生の参考にもなりうる著作です。



就職先には内外の都市計画と密接に関わる総合商社を志望。三井物産の安永竜夫社長は研究室同期の親友だ。

目指していた商社ではなく、東京海上を選んだのは、偶然話を聞いた弊社の先輩に魅了されたからです。30歳くらいの中堅社員でしたが「社会問題の解決に向けた保険の重要性」を熱心に説いてくれた。いずれにせよ安永君と競合せずに良かった(笑)。

初任地は名古屋。自動車保険の営業で実績を挙げ「月間MVP」に選ばれました。なのに賞品は1冊の本でした。金一封なんかを期待した私は「どういう会社なの?」と最初は思いましたが『戦略思考学』はビジネスにおける論理的思考のあり方や改善・改革のヒントを探求する起点になりました。

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