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家電量販店ノジマの活発な動きが目立つ。2017年にネット接続会社のニフティを子会社化したのに続き、18年にはスルガ銀行へ出資した。コロナで苦戦する航空・ホテル業界から一時的に従業員を迎え入れ話題を集めた。家業の電器店から会社を育てた野島広司社長は「デジタルを軸に提携を進めたい」と語り、異色のグループ経営を追求する考えだ。

従業員受け入れ、助け合いの精神

――2020年11月にJALやANAから従業員を受け入れました。手応えはいかがですか。

「教育が非常に行き届いていると感じています。20年11月に出向説明会を実施しましたが、JALやANAの方々は皆さん、開始時間の15分前には集合している。全員が背筋を伸ばしてきちんと座って話を聞く。私の方を見て、微動だにしない姿が印象的でしたね。ノジマには接客のマニュアルがないと伝えると、とても驚かれていました。所属する企業で受けた教育方法と、自分で考えてベストだと考える行動を織り交ぜてノジマの店舗で接客してほしいと話しました。最初は困惑されていましたけれど」

JALやANAから受け入れた従業員向けに説明会を実施した

JALやANAから受け入れた従業員向けに説明会を実施した

「ノジマの店舗での接客業務のほか、コールセンターでの顧客対応などにあたってもらっています。1カ月も経つと単純な接客だけではなく、相手の要望を聞いて提案できる方も出てきました。人材が良いですから、お客さんにも喜んでもらえています」

――なぜ航空会社の従業員を受け入れようと思ったのでしょうか。

「ノジマはこれまでも3~4回、従業員を受け入れてきた経緯があります。08年のリーマン・ショックのときなどです。今は企業規模が大きくなり、数百人を受け入れることができるようになりました。日本古来の『助け合い』の考え方です」

「期間は半年を区切りとして考えています。今後も第2弾、第3弾を受け入れますよ。適応も早い方が多いので、店頭で頑張ってもらいたいですね」

――家電店は現在、首都圏約200店の規模にとどまっていますが、一方で新たな領域へ次々と進出しています。小売りの系列ではセブン銀行やイオン銀行がありますが、ノジマもスルガ銀行に出資しましたね。

「セブン銀行やイオン銀行とは、考え方が少し違うと思っています。スルガ銀行はかつて、リテールバンクとして存在感がありました。ただ過度に収益拡大を追い求めた結果、シェアハウス関連を中心とした不動産融資で不正が横行する問題が起きてしまいました」

「もともとは個人向け営業に定評がある銀行ですから、リテールの領域でノジマとのシナジーを追求し、地域に貢献できるような事業を育てたいと思っています」

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