新型コロナウイルス禍が広がる前は1~2カ月に1回の頻度でアフリカや中国などに出かけた。実際に鉱山を視察し、取引先に会うことを心がけた。その結果、チーム内のモリブデンの取引量は急増。日本の大口顧客向けの案件でリーダーを任されるなど、実績は高く評価されている。

藤原さんの「とことん」精神は商材へのほれ込み方にも表れている。本人いわく、「傷ついても自己再生するクロムと、それを守るモリブデンは、とてもけなげな金属なんです」。一般には、なじみの薄い商材だからこそ「自分が売らないで誰が売る」と発奮材料に変えてしまう。

入社後に4年間、出資先である中国の鉄鋼原料会社の事業管理に携わった経験が大きいという。現地での通訳や専門知識の吸収が、鉄鋼業界での人脈づくりにつながった。「一見意味のなさそうなことでも、突き詰めてやれば自信が生まれる」と語る。

現在10人ほどのチームでトップ営業として活躍する藤原さんが次のステップとして最も力を入れているのが、後輩の育成だ。もともと全て一人でやってしまうタイプだが、中堅としてチーム全体のモチベーション向上に責任を感じるようになった。

現在は背景を丁寧に説明した上で交渉を任せることも多い。メンバーには「クロムやモリブデンのように、転んでも立ち上がる忍耐強いチームであろう」と呼びかける。

単発で終わりやすい取引を長期的な収益に結びつける仕組みづくりも見据えている。長期契約や投融資の可能性を探り、モリブデン関連の利益を着任前の2倍に増やす個人目標を掲げる。

将来は「自分で直接、交渉ができる海外拠点で勤務したい」とも話す。市場拡大が見込まれるインドや東南アジアなど、自身にとって未踏の地を開拓するのが夢だ。

(薬文江)

ふじわら・ゆめ
2011年に三井物産入社。製鋼原料部で投資管理に携わり、17年に中国研修。18年からクロムやモリブデン物流で営業を担当。中国・山西省生まれで、日本育ち。

[日経産業新聞 2021年1月14日付]


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