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山口聡氏と座右の書・愛読書

山口聡氏と座右の書・愛読書

工場に勤務していた時、海外への探求心を刺激する本に出あった。
やまぐち・さとし 1960年生まれ。83年東北大農学部食糧化学科卒、カゴメ入社。2010年執行役員。19年取締役常務執行役員。20年1月から現職。

やまぐち・さとし 1960年生まれ。83年東北大農学部食糧化学科卒、カゴメ入社。2010年執行役員。19年取締役常務執行役員。20年1月から現職。

入社4年目でしたね。1986年に沢木耕太郎さんの『深夜特急』の第1巻が出て、夢中になって読みました。沢木さんが香港からロンドンまで乗り合いバスなどで延々と旅をする物語です。完結編の3巻目は92年出版で、楽しみにして読み通しました。

アジアやヨーロッパの街を若者が自由に探索して、人と出会い、様々な体験をするという内容です。巧みな描写で、街の雑踏、ざわめき、においとか、空気感までが伝わってきます。

学生で海外旅行をするのはまだ少なく、渡航経験が無かったので、若者が未知の国を旅することに憧れがあったのでしょう。寮と製造現場を往復する変化の少ない毎日だったから、余計にひきつけられたのかもしれません。

商品開発をやりだしてからは、仕事で海外に出かけるようになりました。いろんなトマトの製品を国外でも作っているためです。沢木さんの旅先と重なると、読み直して出張しました。

例えば、トルコのイスタンブールがそうです。アジア側とヨーロッパ側を分ける狭いボスポラス海峡を、沢木さんが小さなフェリーで渡るシーンがあります。私もフェリーに乗って、沢木さんもこんな感じだったのかなと追体験しました。現地を訪ね繰り返し読んでも、改めて共感しますね。

イノベーションについて、2冊の本を手掛かりに突き詰めて考えた。

55歳になる年にいきなり基礎研究部門に行けと言われました。工場や商品開発を経験して営業も少しやりましたが、全く初めての仕事です。基礎研究部門がイノベーション本部に変わり、私がその本部長というわけです。

研究のための研究ではなくイノベーションを起こせという使命を与えられました。イノベーションとは何か、あれこれ本を読みました。その中で大いに参考になった本が2冊あります。

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