ドラム式洗濯機の使い方を再確認 入れすぎはNG洗濯家 中村祐一

年が明けて気分も一新。洗濯にも気持ちよく取り組みたい。限られた時間で汚れをしっかり落とすにはやはり道具をよく知ることが大切だ。今回は改めて洗濯機、なかでも憧れという人も多いドラム式の使い方を再点検してみたい。

ドラム式洗濯機は衣類を持ち上げては落とす、いわゆる「たたき洗い」が特徴だ。必要な水の量が少なくてすみ、物理的な力を利用して落としたい泥などの汚れにも強さを発揮する。縦型の洗濯機では水に浮いてしまって洗いにくいもの、例えばダウンジャケットや毛布などもしっかりかき交ぜながら汚れを落とすことができる。

たたき洗いが基本となるドラム式は乾燥機としての使い勝手もいい。確かに乾燥機能がない機種もあるし、あっても使わない人が意外に多いとも聞くが、それではメリットが半減してしまうと私は思う。積極的に使おう。特に家電の持つ機能を目いっぱい活用し、家事を楽に終えたいと考えている人にはドラム式を推薦したい。

一方でたたき洗いにはデメリットもある。たたき作用が強すぎると、けば立ちが起こるなど衣類が傷みやすい。タオルでもループ状に織られたパイルがたたき洗いで倒れてしまうので、乾燥機能を使わずに自然乾燥するとゴワゴワになりがち。注意が必要だ。

「手洗いした後に洗濯機でサッと脱水だけしたい」といった自分の好みに合わせたマニュアル操作もドラム式ではしにくい場合がある。私は細かく設定して洗いたいときには縦型や2槽式の洗濯機を使うようにしている。

実際に洗う際にポイントとなるのは入れる衣類の量だろう。縦型と比べれば相対的に使う水の量が少ないドラム式では洗濯物を詰め込みすぎると汚れが落ちにくくなる。衣類が黒ずんでくることもある。入れるのはドラムの半分から多くても3分の2程度にとどめよう。洗濯物の量を調整すればたたき効果も出やすくなる。汚れ落ちがよくなるのはもちろん、その後の乾燥にもプラスだ。

使う水の量を細かく設定できない場合も
洗濯しているときドラムの中にある水は実際少ない

洗濯物はドラムの半分から3分の2程度までにとどめる
たたき洗いではタオルのパイルが倒れてしまう。乾燥機能を使ったタオル(左)はパイルが起き、自然乾燥(右)よりもふんわり仕上がった

衣類を入れすぎないようにするには分け洗いが重要になる。1日に何度も洗濯機を回せない場合にはきょうは白いもの、あすは色柄もの、といった感じで、日ごとに洗い分けるといい。

私がドラム式で2回洗濯する場合、ハンガーで干すシャツなどを先に洗うようにしている。次にそのまま乾燥までさせる肌着やタオルなどのアイテムを入れておく。例えば出かける直前に洗濯機で2回目を回し始めておけば、帰ってくる頃にハンガーで干した方も、洗濯機に任せた方も両方乾いている。時間の無駄もなく、その後の作業に移れるので重宝する。

ドラム式の洗い方や機能をよく知り、上手に使いこなせれば、仕上がりも変わる。洗濯において、これだけ作業を楽にしてくれる道具は他にないと思う。

中村祐一(なかむら・ゆういち)
1984年生まれ。クリーニング会社「芳洗舎」(長野県伊那市)3代目。一般家庭にプロの洗濯ノウハウを伝える「洗濯家」として活動。「洗濯王子」の愛称でメディア出演も。

[日本経済新聞夕刊2021年1月5日付]

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