在宅勤務で不便さ実感

――コロナで生活スタイルも変わりました。新常態(ニューノーマル)の生活で戸建て住宅はどう変わりますか。

在宅勤務を効率的に行えるワークスペースを提案する

「在宅勤務だけではなく、夜の会食や出張も減りました。かわりに増えたのが家族と過ごす時間です。自宅で家族そろって食事を食べるなど、コロナをきっかけに家族の絆を再確認した人は多いでしょう。家で過ごす時間が増えると『こんな間取りがいい』『すてきなキッチンがほしい』との需要も生まれます」

「私も在宅勤務しました。オンライン会議の時間に、大学生の娘もちょうどオンライン授業を受けていました。私の仕事の声が大きく、『お父さん、うるさい』と言われました(笑)。これまで父親と娘が平日の同じ昼間に家で会議をしたり、授業を受けたりすることはほとんどなかったでしょう。多くの人が不便だと感じ、書斎コーナーがほしいと本気で思ったのではないでしょうか」

――冬に向けてコロナの第3波が来たことや所得低迷で、戸建て市場が冷え込む可能性もあります。

「20年度の新設住宅着工戸数について当初、昨年度の約90万戸から約70万戸まで落ちるとの見方がありました。当社では今年、前年比約10%減の80万~81万戸で落ち着くとみています。21年は希望的観測もありますが、治療薬やワクチンが行き届き、経済も社会活動も大きく悪化しない前提であれば、20年比でほぼ同じぐらいとみています」

――海外事業が好調に推移しています。

「米国では史上最低の住宅ローン金利が追い風です。賃貸アパートに住む若い夫婦が、このまま家賃を払うよりも住宅ローンを借りて、一戸建てを購入しようと動くケースが見受けられました」

「米国の新設住宅着工戸数は年間120万~150万戸ですが、中古住宅の売買はその5倍ぐらいあります。日本人は家を建てるとずっと住む人が多いですが、米国は違います。結婚すると中古住宅を買い、リフォームします。そして2人目の子供が生まれたころに大きな家に引っ越します。中古住宅を買う際は、人がまだ住んでいる間に物件を見学することが多いので、コロナの影響がありました。在宅勤務の拡大で、都心から離れたエリアは米国でも人気があります」

――バイデン次期大統領が就任すると、住宅販売にどのような影響が出ると思いますか。

「金利が大きく上がることはないと考えています。来年も好調を維持できるでしょう。環境対策を重視する姿勢を見せていますが、当社にとっては環境性能の高い住宅への注目度が高まるチャンスだと思っています」

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