カーテン・ブラインドを手入れ ホコリこまめに落とす
窓辺を彩るカーテンやブラインド。長く使うものだけに、汚れが気になる人も多いのでは。掃除の仕方は素材や形状によって異なる。窓まわりのアイテムのお手入れ法を教わった。
まずはカーテンから。光の調整や遮光をしたり装飾性を高めたり、窓まわりに欠かせないアイテムだが、静電気が発生しやすく、ほこりやチリが付着する。カーテン等の販売会社サンゲツヴォーヌ(東京・品川)の小上佳代子さんは、日常の掃除の中で「掃除機やはたきをかけ、ほこりを落とすのが基本」と話す。
掃除は上から下 素材確認し洗濯
掃除機をかけるときは、カーテンを束ね、弱い吸引力でヒダの上から下に向けてゆっくりと吸い取る。はたきも上から下に向けてかけよう。
キッチンやリビングのカーテンは、調理中の煙を吸い取りにおいが気になる。洗濯してさっぱりさせたいが、風合いを保つためには「洗える素材のものでも洗濯は年1回、レースカーテンは半年に1回くらいが目安」と小上さん。麻や綿などの天然繊維やレーヨン、それらの混紡は縮みやすい。遮光機能のある裏地を縫い付けた生地なども洗えないものが多い。まず洗濯表示を確認し、水洗いができるかを確かめたい。
洗濯の際はカーテンフックを取り外し、ヒダに沿って屏風だたみに。さらに縦半分に折りたたみ、洗濯ネットに入れる。洗濯機はたっぷりの水量で、水流は「弱」に設定する。脱水時間は30秒程度。カーテンレールにかけ、布地を自然に伸ばして乾かす。
整理収納アドバイザーの上野景子さんが、手軽にカーテンを洗うために活用しているのは「輪ゴム」だ。「プラスチック製のカーテンフックであれば、つけたままカーテンの上部を輪ゴムで束ね、ネットに入れて洗える」
かつての金属製のフックと異なり「近ごろ主流のプラスチック製のフックは生地を傷付けにくい」と上野さん。洗い上がったら、そのままカーテンレールにつるして乾燥させるだけだ。
上野さん宅ではひもで上下開閉する形状のシェードカーテンも使用している。「シェードカーテンは洗えない、と思っている人も多いかもしれないが、実は布地が簡単に取り外しできる作りになっている。上部も面ファスナーで留めてあるものがほとんど」(上野さん)。洗えるように防縮加工された麻素材のため、定期的に洗濯するという。
忘れがちなところではカーテンレールの掃除も重要だ。窓まわりが汚れているとカーテンも汚れやすい。上野さんははたきや柄の長いモップなどで掃除している。
指ではさみつつ 汚れふき取って
窓まわりにあるのはカーテンだけではない。最近の家にはブラインドやロールカーテン、不織布や和紙などで作られたプリーツスクリーンなど、多種多様なアイテムが採用されている。
どれも基本的なお手入れは、柔らかい布やはたきなどでほこりを取り除くことだが、アイテムによって、プラスアルファの掃除法がある。
ブラインドは羽根が重なった構造のため、ほこりがたまりやすい。横浜のオーダーカーテン専門店、カーテンプラージュ店長の阿部博之さんは「軍手をはめ、ブラインドを指でつまむようにして汚れをふき取るといい」とアドバイスする。
アルミやプラスチック素材であれば、水拭きもできる。「どうしても汚れが気になる場合は、窓から外して羽根部分を水洗いすることも可能」と阿部さん。まず取り付けた状態のまま、はたきなどでホコリを落とし、たたみ上げて取り外す。ヘッドボックス(最上部のメカ部分)に水を掛けないように注意しながら全体を水で濡らし、家庭用洗剤などをつけたスポンジで汚れを落とす。
水でよく洗い流したら乾いた布で水分をふき取る。ヘッドボックスは、水気が残っているとさびの原因となるため、ドライヤーをあててよく乾かしておく。
ロールスクリーンも、はたきなどでほこりを取るのがお手入れの基本。水拭きできるタイプのものであれば、中性洗剤を柔らかい布に含ませ、汚れをふき取ってもよい。
カーテンの替えどきは、厚手は約15~20年。レースカーテンは10年程度。ブラインドやロールカーテンなどの目安は7~10年という。日々のこまめなお手入れで、長持ちさせたいものだ。
(ライター 児玉 奈保美)
[NIKKEIプラス1 2020年12月26日付]
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