買ったお酒を楽しむスペースも 滋賀・大津のスーパー

総菜売り場は調理風景を見ることもできる
総菜売り場は調理風景を見ることもできる

平和堂は11月、大津市に総合スーパー(GMS)の「平和堂石山」を開店した。売り場面積は一般的なGMSの半分程度だが、休憩スペースなども広めに用意し、地元住民が毎日のように訪れる店舗を目指す。滋賀県に地盤を持つ強みを生かし、地域密着の店舗で成長を探る。

平和堂石山は老朽化した旧店舗を建て替えて、再オープンした。売り場面積は9060平方メートルと、平和堂が展開するGMSとしては小ぶりだ。最寄り駅の石山駅から京都や大阪へのアクセスが良いため、最近は商圏内にファミリー層の転入が増えている。

再オープンに合わせて、衣料品などの専門店は30~40代の女性を意識した。店舗の役割も見直し、「単に商品を売る場所ではなく地域人の交流を促す拠点も目指す」。国松正義店長は新店についてこう話す。

食品売り場を強化し、面積を建て替え前の1.5倍に拡大した。鮮魚や青果コーナーではカウンター式の対面売り場を設置して、顧客が販売員と会話をしながら買い物ができるようにした。「販売員との会話を楽しんでもらいながら、顧客の希望に沿った商品の提案にもつなげたい」と国松店長は語る。

総菜の商品数も他店より3割程度多い500品用意し、売り場面積も通常の1.2倍に広げた。来店客の目の前で調理できるカウンター式の鉄板も用意し、できたてのお好み焼きなどを販売する。

買い物の用事がなくても来店してもらえるよう、各階に計約170席分の休憩スペースを用意した。

食事などを楽しめる休憩スペースも広めに確保した

入り口近くのスペースは午後5時以降に店内で購入した酒類を楽しめる。3階には予約制の貸スペースも用意した。イベントや町内会の打ち合わせなどに利用できる。

交流スペースでは毎日、イベントも開く。入居しているテナントと連携した料理教室やヨガ教室などを検討する。国松店長は「イベントを考える担当者を置いており、幅広い顧客を集める企画を練りたい」と話す。地域に根差した店作りを徹底することで、年商32億円を目指す。

平和堂の平松正嗣社長は同店を「地域密着を掲げる平和堂の取り組みを凝縮した店」と語る。今後、同店で取り組むイベントや休憩スペースの拡大などを他店にも広げていきたい考えだ。

スーパー業界は足元の巣ごもり需要で業績は堅調だが、景気の先行き不透明感で今後は消費者の節約志向も強まるとの懸念がある。平和堂石山は景気に左右されず、持続的に地元住民に支持される店作りで成長を目指す。

(泉洸希)

[日経MJ 2020年12月9日付]

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