冷凍食品で手軽に時短 組み合わせて創作料理も
管理栄養士 今泉マユ子
スーパーやコンビニエンスストアで簡単に手に入る冷凍食品。忙しい朝に家族のお弁当をつくるときくらいしか使わない人もいるかもしれない。ただ最近は製造技術が進歩。メーカーが競うように工夫を凝らした商品を売り出していて、手軽においしく味わえるものが増えている。
なんといっても種類が驚くほど豊富。チャーハンやドリアといったご飯ものはもちろん、パスタやピザ、お好み焼き、ギョーザにシューマイ、ハンバーグ、魚のフライなど目移りしてしまう。もはや冷凍食品にできないものはないのではと思うほどだ。
下ごしらえの手間が省け、時短につながるのがうれしい。使うときはまず説明書きを読もう。電子レンジで加熱すればいいものが多いが、焼く、煮る、揚げるといった工程が必要な場合もある。
レンジで大丈夫な場合でも外袋から出さずに加熱していいのか、袋から出して皿に並べるのか、袋に入れたままでも穴を開ける必要があるのか、など商品によって違いがある。「自動あたため」といったボタンもあるが、袋の表示通りに時間などを設定した方がうまく仕上がる。袋の中のトレーをそのまま食卓に並べられるものもある。洗い物が減らせそうだ。
お弁当にそのまま入れておくと自然解凍して昼には食べごろになっている品も便利。ただし「自然解凍可」の表示があるかはしっかり確かめよう。自然解凍に対応している品は味や食感はもちろん、様々な試験で衛生面の厳しい条件を満たしたもの。対応していない場合はしっかり加熱調理したうえで使うようにしよう。
そのまま使うのは手抜きしたみたいでちょっと気が引ける…という人はちょっとアレンジを加えてみる手がある。冷凍ギョーザであれば、ゆでて耐熱皿に並べ、ミートソースとピザ用のチーズをかけてトースターで焼く。ラザニアのような一皿ができあがりだ。
キャベツを1枚ずつはがしてレンジで加熱し、やわらかくなったところで冷凍のシューマイを包んで煮込んでみる。一風変わったロールキャベツが楽しめる。冷凍のとんかつ、ハンバーグ、からあげなどをサンドイッチの具にするのもおすすめだ。
複数の冷凍食品を組み合わせたメニューを考えるのも面白い。例えば冷凍の焼きおにぎりを半分に切り、同じく冷凍のきんぴらや味付き肉をレタスなどと一緒に挟めばライスバーガーだ。冷凍食品を上手に取り入れ、料理のレパートリーを増やしてみよう。
1969年生まれ。管理栄養士として企業の社員食堂、病院や保育園に勤務。缶詰やレトルト食品を使った時短レシピのアレンジのほか、防災食アドバイザーとしても活躍。
[日本経済新聞夕刊2020年12月8日付]
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