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大倉治彦氏と座右の書・愛読書

大倉治彦氏と座右の書・愛読書

若き日に熱中した本は、振り返れば「日本人とは何か」との視点を共通項としていた。
おおくら・はるひこ 1958年京都府生まれ。81年一橋大経卒、第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)へ。87年に月桂冠入社、97年から現職。

おおくら・はるひこ 1958年京都府生まれ。81年一橋大経卒、第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)へ。87年に月桂冠入社、97年から現職。

学生の一時期は『麻雀放浪記』に熱中しました。登場する全員が悪人というか個性的。『坂の上の雲』はその正反対で、日本が明治時代に後進の国から上り詰めていく過程です。当時の指導者には不正な蓄財をしている人物もいたでしょうが、作者の司馬さんは、ある意味さわやかな世界を描き通しました。

『日本人とユダヤ人』は教養書として初めて興味をかき立てられました。ものごとを知的に見るとはこういうことか、と納得できました。

思えば、3つともジャンルは大きく違っていても独自の「日本人論」なんですね。複数の観点を持つことの面白さ、大切さに気付かされました。

江戸時代の寛永年間に創業し、380年超の歴史を誇る酒造会社を14代目として率い、20年を超えた。

『百年続く企業の条件』という本に、明治末までに創業した会社へのアンケートがあります。「老舗企業として大事なことを漢字1字で表現すると」との質問です。最多の回答が「信」、次いで「誠」でした。

「消費者本位」という意識があまり浸透していなかった古い時代、経営者として最重要で、頭を悩ませた課題は、原材料の調達だったろうと思うことがあります。和菓子店なら小豆、うちのような酒造はコメでしょう。

安定して原料が手に入れられるからこそ、毎年、決まった時期、きちんとした製品が一定の量でお客さまへ届けられる。人への信、品質への信が重んじられたのでしょう。忘れてはならないと感じています。

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