Men's Fashion

アデランスの旗艦店 ヘッドスパやマッサージも

Hot Zone

2020.12.6

かつら製造販売大手のアデランスは9月中旬に美容品ブランド「ビューステージ」の旗艦店「ビューステージ銀座」(東京・中央)をオープンした。化粧品や美容機器を取り扱い、ヘッドスパなどのサービスを提供することでブランドの認知度を上げる狙い。アデランスはビューステージに力を入れ、美容分野をかつら事業に次ぐ柱として成長させていく考えだ。




かつらや頭髪ケアのフォンテーヌ店に併設

東京メトロ銀座駅からすぐの並木通りに路面店を構える。従来同社のウィッグブランド「フォンテーヌ」だった店舗をリニューアルし、店舗面積の半分以上の約86平方メートルにビューステージの旗艦店を開業した。残りのスペースでフォンテーヌの店舗営業を続けており、両ブランドの客が店内を行き交う。

アデランスは頭髪のケアで培った経験やノウハウを、スキンケアなど総合的な美容分野にも生かそうと、2016年にビューステージを立ち上げた。18年にオープンした「ビューステージ青山通り」(東京・港)を旗艦店として展開していたが、ビルの耐震工事のため8月に閉店。新たに、「美容先端技術が集まる銀座で旗艦店をオープンすることにした」(同社)という。青山では取り扱っていなかったヘッドスパサービスを提供するほか、銀座の一等地にふさわしい豪華な内装にもこだわる。

店内には小さなシャンデリアを飾るなど高級感を演出。ビューステージの化粧品や洗顔に使う美容機器など60商品以上を扱っており、化粧品は税別1万円前後の高級品が多く並ぶ。フェイスマスク「エイジングケアフェイシャルマスク」は5枚入りで価格が税別1万3200円。1枚にココナツ果汁を1個分使用する。そのほか、他社の健康食品なども販売している。

無料の美容マッサージやヘッドスパを導入

来店客が顔のケアに使う美容機器などを無料で体験できるコーナーも設けた。店員が美容液を客の顔につけ、20分ほど美容機器でマッサージする無料サービスを提供するなど、丁寧な接客でもてなす。

福井美和子店長は「扱っている商品が高額なため、購入前に使ってみたいと思う顧客は多い。試してみて、商品を知ってもらいたい」と話す。

有料サービスとしてヘッドスパとドライスパも提供する。これらを目当てに来店する顧客も多く、男性、女性を問わず好評だという。物販だけでなくこうしたサービスを提供することで、ブランドの認知度を高める狙いだ。有料サービスを利用した顧客には、美容機器を使った無料サービスの利用も提案している。

矢野経済研究所(東京・中野)によると、19年度のヘアケア市場は前年同期比0.9%増の4527億円だった。ただ、かつらなどの毛髪業市場は大きな伸びは期待できない。美容分野を伸ばすためにも、顧客の悩みに合わせて最適な商品やケアメニューを提案していくことで、ビューステージのファン獲得を目指す。また、ビューステージ銀座はフォンテーヌの店舗も併設している特徴を生かし、ウイッグと美容との相乗効果も期待する。

(サンローラ茉莉亜)

[日経MJ 2020年11月18日付]

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