背中ひねって 洗濯物たたみ
次は洗濯編。高い物干しに洗濯物を干す際はつま先立ちで。低い位置はスクワットで干すのも良い。床拭き同様、ゆっくり動く方が効果的だ。スクワットの際はひざがつま先より前に出ないように注意したい。
洗濯物をたたむのも工夫次第でエクササイズになる。タオル類は右後ろ、衣類は左後ろというように、たたんだものを後方に置いてみよう。肩甲骨を大きく回すイメージで背中を左右にひねる。そのとき、腰は動かさないのがポイントだ。無理に動かそうとすると腰痛の原因になる。
洗い物などキッチンでの作業も、つま先立ちが取り入れられる。片足を横に上げたり下ろしたりする運動も、腰回りやおなかが気になる人は、ぜひ試してほしい。在宅勤務などで座りっぱなしだと股関節の前側の筋肉が縮こまっているので、足を後ろに引き上げて伸ばすのもいい。
かかとで立つのもおすすめだ。つま先から太ももやお尻まで全体的に力が加わる。ただしどこかにつかまるなど、十分注意して行おう。
家事をしながらエクササイズする際は、音楽を流しながら行うと、一定のリズムで動くことができて効果的だ。自分のペースに合った音楽を見つけたい。
運動する際は、負荷をかける筋肉の場所へ意識を向け、ゆっくりと動かそう。「呼吸を止めないことが重要」(福谷さん)。鼻から吸って口から吐き出す、を繰り返すことで血圧上昇を防ぐほか、基礎代謝量もあがる。
「負荷は小さすぎても大きすぎてもダメ」と福谷さんは言う。小さすぎると「なんだ、できる!」で続かない。大きすぎると「ムリだ! できない!」で諦めてしまう。10回試して7回目くらいでつらくなる程度の回数や負荷の大きさが、継続するには最適だ。自分にあった負荷を見付けて毎日続け、コロナ時代の運動習慣を身に付けてほしい。
(家事ジャーナリスト 山田 亮)
[NIKKEIプラス1 2020年11月14日付]