種類豊富な市販の冷凍野菜 下ごしらえいらずで重宝
管理栄養士 今泉マユ子
野菜は毎日食べたいけれど、切るのも、下ごしらえをするのも、とにかく面倒。そんな方は市販の冷凍野菜を使ってみよう。カット野菜も手間はかからないが、冷蔵庫に入れっぱなしで気づいたら大変な状態なんてことも。一方で冷凍野菜は保存期間が比較的長いのがありがたい。生ごみとして捨てる部分がほとんどなく、使いたいときに取り出してすぐに調理できる。時短にもってこいだ。
そうはいっても「冷凍野菜はちょっと…」と敬遠していた方が多いかもしれない。ただ最近売られている冷凍野菜には高度な技術が駆使されていると聞く。野菜を収穫してすぐ冷凍処理し、私たちの食卓に届くまで温度管理を徹底。味や香り、食感が驚くほど生に近いものも増えている。季節や天候に関係なく、年間を通して手に入りやすいのも助かる。
種類も豊富だ。ブロッコリーやホウレンソウ、枝豆、フライドポテト、コーン、サトイモなどはもはや定番。キノコや根菜類のセット商品もあるし、今では千切りゴボウや揚げナス、大根おろし、刻みタマネギ、とろろ芋まで冷凍になって売っている。立ち寄る店によって扱う商品が違っていて、目新しいものを探すのも楽しい。
冷凍野菜は電子レンジを使ったり、冷蔵庫に移したりして解凍するイメージがあるが、室温で解凍してそのまま食べられるものもある。弁当のおかずに使いやすく、煮込み料理やカレー、シチュー、炒め物にちょっと野菜を足したいときにも重宝する。
私がよく使うのは冷凍ホウレンソウ。みそ汁にスープ、パスタ、炒め物と様々な料理に入れてしまう。簡単なのはホウレンソウのごまあえ。冷凍ホウレンソウ150グラムを平らな耐熱皿になるべく重ならないように並べ、ラップをせずに電子レンジ(500ワット)で2分ほど加熱。粗熱をとって水分を切った後、めんつゆと白すりごまを大さじ1杯ずつ、砂糖を小さじ1杯加えてあえるだけ。ドレッシングやポン酢で味の変化も楽しめる。
時間や手間のかかる料理も冷凍野菜の活用で挑戦しやすくなる。例えば冷凍フライドポテトをレンジで加熱してつぶし、ポテトサラダをつくってみる。食べやすい大きさにカットされ、油で揚げてある冷凍揚げナスを使えば、煮びたしが短時間でできる。一口大のがんもどきと合わせた煮物など工夫次第で様々な料理ができる。
野菜を自分で冷凍する手もあるが、手間を省きたいときは市販品も選択肢。普段の料理に上手に取り入れて時短につなげてほしい。
1969年生まれ。管理栄養士として企業の社員食堂、病院や保育園に勤務。缶詰やレトルト食品を使った時短レシピのアレンジのほか、防災食アドバイザーとしても活躍。
[日本経済新聞夕刊2020年11月10日付]
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