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コロナ禍で外食機会が減り、夜は自宅で過ごす「巣ごもり」スタイルが定着した感がある。飲食店発でハイボールをヒットさせウイスキー市場を復活させた実績を持つサントリースピリッツは、酒類に吹く逆風にどう挑むのか。神田秀樹社長は洋酒の製造技術とマーケティング力で新たな需要を生み出し「来年を攻めの年にする」と決意する。

コロナ禍の影響、緩やかに回復

――サントリースピリッツはウイスキーや缶チューハイなどが主要な製品です。事業会社としてサントリーホールディングスへの業績貢献も大きいですね。

「(清涼飲料を扱い上場している)サントリー食品インターナショナルが一番で、当社はその次です。ウイスキーはサントリーの中で長い歴史のある事業ですから、売り上げ、利益とも責任は大きいと思っています」

――コロナ禍で影響が大きかった飲食店向けは回復してきましたか。

「8月に第2波が来て、前年比で6割程度まで落ちこみました。その後は緩やかにですが8割ぐらいまで戻っています」

――かつて飲食店発でハイボールをヒットさせたことで酒類市場は活気づきました。最近はレモンサワーに力を入れてきましたね。

「『三位一体』と言っていますが、たとえば飲食店で(最も品質の良い状態の)レモンサワーを提供し、『こんなにおいしいんだ』と体験してもらう。そして家庭でも晩酌や食事と一緒に飲んで頂く。さらに(宣伝などで)コミュニケーションを深めるという方法です。ハイボールで成功し、レモンサワーが大ブレークしました。次は『第三のソーダ割り』としてジンソーダを仕掛けます」

――3月に発売した国産ジン「翠」(スイ)ですね。発売後の進捗はいかがですか。

「実は4月にCMを始めようと思っていました。居酒屋メシに合うのが翠ジンソーダです。国産のジンの原料としてショウガとユズ、緑茶という和素材を使い、日本人の味覚に合います。(春の)外出自粛などと重なったため、少しスタートを待ち10月から始めることにしました」

――コロナのため仕切り直したのですね。

「ただ営業現場が頑張ってくれたこともあり、テレビCMを始める前に約2万の飲食店が扱ってくれました。すごく手応えがあり、新市場になりうると思います」

――外食需要に回復が見えるとは言え、ビール類、チューハイ、ハイボールなど「家飲み」が消費の流れになっています。変化する市場にどうアプローチしますか。

「自分で好みの味を作ってお酒を飲むことを楽しむ方が多くなりました。ゆっくりと味わいながら過ごすため、ウイスキーなど瓶入りのお酒を購入する方が増え、チャンスの芽があります」

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