肩こりがつらい寒い季節 肩甲骨ほぐしで血行促進

NIKKEIプラス1

モデルは桜美林大学芸術文化学群講師・渡辺久美
モデルは桜美林大学芸術文化学群講師・渡辺久美

寒くなると肩をすくめたり着衣が増えたりして、上半身の動きが抑えられがち。肩まわりが血行不良となり、肩こりなど全身の不調を招きやすい。肩甲骨と周囲の筋肉をしっかりほぐすセルフケアで予防しよう。

かばんを持つ、服を着る、スマートフォンを操作するなど、生活の中で何気なく腕を使っている場面はとても多い。腕の動きに必要な筋肉は僧帽(そうぼう)筋など17に及び、すべてが肩甲骨につながっている。

肩甲骨は背中に羽のような形で位置し、上下左右に動く仕組み。運動不足や長時間のデスクワークなどで動きが抑制されると、周辺の筋肉がこわばり、肩甲骨が左右に開いた状態で固まってしまうこともある。上半身が血行不良になりがちで、腰痛、代謝不良、逆流性食道炎など様々な不調を起こしやすくなる。

予防するには、姿勢を立て直し、肩甲骨を本来あるべき位置に戻す。ストレッチや運動で肩甲骨周辺の筋肉をほぐし、肩甲骨の可動域を広げるようにしたい。

まずは(1)肩甲骨チェック。両手を背中に回し肩甲骨下部をなぞることができるか確認する。筋肉がこわばり肩甲骨が固まっていると手が届かない。続いて準備運動として(2)前鋸(ぜんきょ)筋ほぐし。片腕を前に伸ばし、もう一方の手で肩甲骨につながる前鋸筋(脇の下奥)を軽く押さえ、伸ばした腕を水平を保ちながら前後にゆっくり動かす(左右5回)。さらに(3)背中・胸ほぐしで上半身の血行を促進する。

肩まわりが動きやすくなったら、肩甲骨ほぐし運動に移る。まずは(4)肩の四角回し。片腕を前に伸ばし、両手を重ねる。そのまま肩を前・上・後ろ・下の順に2秒程度ずつしっかり動かす(連続して10回転程度)。肩甲骨を意識しながら動かすと効果的。続いて(5)腕ひねり。両腕を横に開き、片腕を内側、片腕を外側へひねる。肩甲骨を左右の遠くに引き伸ばすようにする。

さらに片手ずつ手の甲を左右交互に背面にタッチさせる(6)背面タッチで血行を促進させよう。一呼吸おいたら、(7)胸の押し上げで胸郭を開こう。肘を脇腹に添えて手を開き、肩甲骨をしっかり寄せる(8)肩甲骨寄せもお勧めだ。

就寝前など寝転んだときは、肩甲骨周辺を効果的にほぐせるチャンスだ。まずは肩甲骨下部にバスタオルを丸めてあてがい、全身をリラックスさせよう。その状態で(9)腕の開閉運動。手のひらを天井に向けて両腕を床に添わせて、体の側面から頭方向にかけて開閉する。頭の方へ腕を開くときに息を吸い、体の側面に閉じるときに細く長く吐き出す。4秒程度ずつかけてゆっくり開閉しよう。肘が浮かないようにすることが大切。気持ち良い程度の開閉角度で10回程度繰り返そう。

最後は(10)肘押し・手の引き上げ運動。両手を天井に向けて引き上げて戻し、肘で床を押しながら胸を左右に開く。ゆっくり繰り返そう。しっかりほぐれていれば、肩甲骨が触りやすくなっている。

日々の生活では長時間前かがみになる場面はなにかと多い。こまめなチェックとケアを続け、寒くなる季節を快適に過ごしたい。

(早稲田大学スポーツ科学学術院 荒木 邦子)

[NIKKEIプラス1 2020年11月7日付]

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