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尿漏れ、悩まないで 新薬や画期的手術に健康保険適用

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NIKKEI STYLE

高齢者を中心に尿漏れを引き起こす過活動ぼうこうの新しい治療法が広がっている。副作用の少ない新薬が健康保険の適用になったほか、ボツリヌス菌の毒素を注射してぼうこうの過度な収縮を防ぐ画期的な治療法も登場した。患者の生活の質(QOL)を著しく下げる病気だけに、今後投薬や施術が増えそうだ。

「夜中、トイレに何回も行っていたのが嘘のようになくなった」。今年、女性医療クリニックLUNAネクストステージ(横浜市)で新療法「ボツリヌス毒素注射法」の施術を受けた神奈川県内の40代女性はこう語る。30代後半から過活動ぼうこうに悩まされ、薬を3種類飲んでいたが効果がなかったため同医院でこの治療法を試した。術後は症状が全くなくなり「もっと早く施術を受けていればよかった」と悔しがる。

過活動ぼうこうは、神経系の病気などで脳によるぼうこうのコントロールがうまくできなくなり、急に我慢できないほどの尿意に襲われる病気だ。患者は頻繁にトイレに行かなければならなくなったり、尿のにおいが漏れていないか気になったりして仕事に集中できなくなるなどの問題が生じる。日本では40歳以上の8人に1人がかかるとされ、高齢になるほど罹患(りかん)率は高い。

治療の第1段階では薬を使う。神経から分泌され、ぼうこうの収縮を促すアセチルコリンの働きを抑える薬が従来使われてきた。ただ便秘を引き起こしたり、認知症リスクを上昇させたりする副作用が起こることがあり、使い勝手が悪かった。2011年にはぼうこうの容量を広げる薬が承認されたが、妊婦や妊娠の可能性がある女性には使えない。

そんな中、18年9月に健康保険適用となった「ベオーバ」は従来薬に表れた副作用がほとんどないとされる。この薬もぼうこうの容積を広げて尿漏れを防ぐ作用がある。近年は広く使われ始めている。「この薬ができて治療は本当に楽になった」(女性医療クリニックLUNAネクストステージの中村綾子院長)

薬剤の十分な効果が見られない患者は難治性と診断され、手術が必要となる。負担の少ない新療法として期待を集めるのがボツリヌス毒素注射だ。ボツリヌス菌の毒素は筋肉をまひさせる効果があり、この毒素をぼうこうに注射して過度に収縮するのを防ぐ。美容外科ではしわを防ぐなどの美容目的でも使われる。

ゼリー状の薬剤により尿道に麻酔を施したうえ、針のついたぼうこう鏡を尿道から入れてぼうこう壁の約20カ所に注射する。病院によっては1日入院する必要があるが、基本的には日帰りで受けられる。施術する医師はボツリヌス毒素を販売する製薬会社の研修を受ける必要がある。効果は4カ月から8カ月ほど持続するという。

ボツリヌス毒素に耐性ができ、注射するたびに効果が薄れるのではないかと危惧する声もある。この治療法を早期に取り入れた鳥取大学の武中篤教授は、懸念も一部にはあるとしながらも「多くの患者で効果は持続する。合計で15回以上注射している患者もいるが、最初に施術した時と同程度の効果がある」と語る。

ただ、副作用が出る可能性があることには注意が必要だ。研究によると、患者の5%はボツリヌス毒素が効きすぎてぼうこうが収縮せず尿が出にくくなる「尿閉」になる例が報告されている。尿閉になると尿道に専用の管を入れて尿を出す必要があり、重い負担になる。また合併症として尿毒症になる患者も5%ほどいるという。

ボツリヌス毒素注射法は20年4月に健康保険の適用になり、1回3万~5万円ほどの自己負担で施術できるようになった。武中教授は「これから術後のデータもより集まるようになり、施術を受ける人は拡大していくだろう」としている。

治療法にはこのほかお尻のふくらみの上部に電極を埋め込んで排尿に関連する神経を刺激する治療法もあるが、大がかりな手術が必要になるため、ほかに治療法がない患者以外では敬遠されがちだという。

◇  ◇  ◇

生活習慣の見直しも有効 食生活指導アプリが登場

過活動ぼうこうの治療には、生活習慣の見直しや排尿に関わる筋肉の訓練などの行動療法も有効だ。組み合わせて取り組めば、薬の使用量などを減らせる可能性がある。20年3月には食生活指導をするアプリも登場しており、患者が自ら取り組みやすくなっている。

行動療法では水分や利尿作用のあるカフェインを過剰に摂取しないようにする。トイレに行くのを適度に我慢することでぼうこうを訓練する方法もある。ぼうこうに尿をためる量が増えるので排尿の回数が減る。排尿をコントロールする「骨盤底筋」を、肛門を締めるようなイメージで鍛えるのも有効だ。続ければ2~3週間で効果が出るという。

アステラス製薬と医療分野のスマホアプリを手掛けるWelby(ウェルビー)は患者に食生活を指導する無料のスマホアプリ「ユーサポ」を3月から提供している。取った食事を3日分撮影すると、アプリが自動で写真からメニューを認識。「漬物を減らしましょう」などと塩分やカフェインの過剰摂取を防ぐ解決策を提示する。ウェルビーの池本圭輔マネージャーは「医師が診察時などに患者に紹介し、広く使ってもらっているようだ」と話す。

(三隅勇気)

[日本経済新聞朝刊2020年11月2日付]

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