NIKKEIプラス1

レイアウト工夫 走り回りにくく

部屋のレイアウトも工夫したい。子どもの足音が気になる家は「部屋の真ん中にテーブルを置くなど、走り回りにくい配置に」(東さん)。隣家と近い壁からは、テレビやスピーカーを遠ざけて本棚などの家具を置く。壁掛けテレビの場合、「音はワイヤレススピーカーから出して、手元で聴くといい」(室水さん)。

ピアリビングに相談し、賃貸アパートの自室に防音対策をしている、東京都在住の田尻美羅乃さんを訪ねた。以前住んでいた木造アパートは「隣の部屋の住人がコップを机に置く音さえ聞こえた。こちらの音も筒抜けではないかと気をつかう生活が続いた」という。音楽活動をしており、自宅でも楽器を演奏したり歌ったりする機会があるため、引っ越しを機に本格的に防音対策に取り組んだ。

田尻さんは自室に様々な防音対策をしている=三浦秀行撮影

床に防音タイプのタイルカーペットを敷き、壁には厚さ5センチメートルの防音パネルを設置。声や音が漏れないようにドアには隙間テープを貼り、念を入れる。防音パネルは手ごろな大きさにカットされたもので、両面テープで壁に貼り付けたり、室内に簡単に柱を立てられる「ディアウォール」や突っ張り棒で支えたりして設置する。対面キッチンの開口部も、取っ手付きのパネルでふさげるようにした。

田尻さんが測定したところ「歌うときは70~80デシベルの音が出る。防音対策をして居室の扉を閉めると、扉の外では50デシベルほどに抑えられた。玄関から出ると全く聞こえなくなった」という。東京都では、一般的な住宅街の場合、昼間は55デシベル以下、夜間は45デシベル以下を望ましい環境基準としている。

防音対策にかけた費用は約35万円。「防音完備の賃貸ルームは家賃が高く、防音室を設置すれば100万円以上する。コスパはいい」と喜ぶ。

騒音トラブルの相談もよく受けるというピアリビングの室水さんは「ご近所付き合いのある家は苦情が少ない」と話す。お互いに配慮しつつ、挨拶など日々のコミュニケーションを忘れずにしたい。

(ライター 児玉 奈保美)

[NIKKEIプラス1 2020年10月31日付]

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