日本起点にイノベーション 消費者に焦点、ヒット生むP&Gジャパン スタニスラブ・ベセラ社長

日用品世界大手の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、洗剤や紙おむつなどで日本でも高いシェアを持つ。成熟した市場ではあるが、日本独自のイノベーションや高単価の製品の提供によって成長を加速させている。P&Gジャパン社長に就いて5年が経過したスタニスラブ・ベセラ氏はコロナで環境が激変する中、消費者ニーズを深掘りする考えだ。

就任から5年、成長率2倍に

――アフリカから日本に赴任して5年が過ぎました。振り返ってみてどうでしょうか。

「時間の経過の早さに驚きます。日本の事業は2020年6月期までの5年間で、その前の5年間と比べて2倍の成長率を達成できました」

――新型コロナウイルスの影響はどのように見ていますか。

「清潔感や健康を保つための製品が求められています。外出機会が減り、家にいる時間を豊かに過ごしたいとのニーズも増しています。事前に買うものを決め、店内で製品を見比べる時間も減っています。これを買えば間違いないという信頼できるブランド、製品であることが重要です」

――過去5年間、成長の要因は何ですか。

「3つあります。まず日本の消費者に焦点を当てた製品開発です。以前はグローバルに展開する製品を日本に合わせて販売する傾向が強かったのですが、日本を起点に製品のイノベーションを起こすようにしています。この5年間で日本の工場に9億ドル(約950億円)投資してきました」

日本の消費者を起点にした製品開発に力をいれている

「具体例がトイレ用の『ファブリーズ』です。日本の消費者に焦点を当てた独自仕様の製品を作りました。日本の住居は、形式や過ごし方が欧米とは異なります。日本の家に合わせたデザインなどを採用しました。また日本の消費者は製品の付加価値を認識してくれれば高くても購入してくれます。衣料用洗剤『アリエール』のダニよけプラスや、ヘアケアの『パンテーンミラクルズ』など高付加価値の製品に反応してくれる消費者は多い。ニーズを適切に捉えた高付加価値製品でカテゴリーの成長を促進できれば、メーカーと小売店の双方に良いことです」

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「IoT」化は日用品にも波及