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日本史漫画「戦国時代」 最新研究・面白さ両輪で勝負

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半世紀以上親しまれてきた日本史学習漫画が群雄割拠の戦国時代を迎えた。今夏に講談社が参入し、大手出版社がしのぎを削る。最新の学説を取り込みながら漫画の面白さも追究する。

「学習漫画を作るのでなく、漫画を作る」。7月、全20巻からなる「学習まんが 日本の歴史」を刊行した講談社の第六事業局担当部長、菅家洋也氏はこう意気込む。

紫式部や清少納言が活躍する平安時代は、少女漫画タッチの華やかな絵を採用した。詳しい史実などはマメ知識としてコマの外に掲載し、現代の漫画を読み慣れた子どもたちを違和感なく奥の深い歴史物語へと誘う。10月時点で123万部と上々の滑り出しだ。

編集にあたって「最新の史実に基づく」(菅家氏)ことを重視した。かつて日本史漫画を読んで育った若くて、なおかつ最前線の歴史研究に携わる学者を監修として起用した。

飛鳥時代から平安時代中期を担当した皇学館大学の遠藤慶太教授(45)は「自分も漫画で歴史に触れた世代。過去の漫画と学説を照らし合わせながら監修できた意義は大きい」と話す。例えば、平安中期では教科書にもよく出てきた「国風文化」の表記を避けた。最新の学説を鑑みると今後、現在の扱い方と違う形となると考えたからだ。

被爆者らに取材

2022年度から始まる高校の学習指導要領が近現代史を重視する傾向にも対応する。第2次世界大戦の戦争体験は当事者に取材した。被爆者に話を聞き、その人の視点から戦中を描く。ドラマや小説の主人公になる偉人らがたどった歴史の表舞台だけでなく、様々な角度から近現代史を捉えようという意識がある。「政治家や貴族だけでなく、一般の庶民や農民が生きていたことも歴史の一つ」と菅家氏は強調する。

日本史漫画の歴史は古い。1967年の集英社を皮切りに小学館、学研など大手出版社が次々と参入した。「当初は漫画のコマ内に解説文があり、図鑑を読む感覚に近かった」と尚美学園大学総合政策学部の櫻井準也教授は振り返る。90年代を境に解説を漫画とは切り離して載せる傾向が強まった。物語性を重視し、詳細な情報はコラムなどで補完するのが主流になっている。

81年から刊行を始めた小学館「少年少女日本の歴史」は2060万部のロングセラーを誇る。約40年前の刊行だが、重版の際には最新情報を反映し、古びない工夫を凝らす。

2018年には新たな巻として「平成の30年」を刊行した。バブル崩壊や東日本大震災といった記憶に新しい出来事を現代史としてまとめた。編集者が体験した平成への改元当時の雰囲気を描くなど、当事者が多くいる利点を生かしている。第二児童学習局 学習まんが・百科担当の安達健裕編集長は「まだ歴史として確定していない内容も多いため、できる限りフラットな目線で編集に当たった」。

ビリギャルが契機

「平成の30年」が刊行された背景にも、学習漫画市場の盛り上がりがある。火付け役は13年に刊行され、ベストセラーになったノンフィクション「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」だ。ビリギャルこと小林さやかさんが小学館「日本の歴史」を愛読していたと紹介され、手軽な学習法として再注目された。安達氏は「受験勉強にも使えると認知され、部数が伸びた」という。

これを機にKADOKAWAが15年に参入する。集英社も16年に「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦ら、人気漫画家が表紙を描いた改訂版を刊行した。

近年は、判型の小さいソフトカバー仕様で刊行されるなど、より手軽に読めるようになった。日本史漫画で育った世代は既に親になり、子どもたちが漫画を読んで勉強していても抵抗は少ないだろう。櫻井教授は「親世代の漫画に対する理解が深まり、図書館で読むものから親が買い与えるものへと認識が変化していった」と指摘する。

世代を超えて浸透する日本史漫画。大人が自分たちが学んだ常識とは違う最新の研究成果を知るのにも手ごろといえ、盛り上がりは続きそうだ。

(篠原皐佑)

[日本経済新聞夕刊2020年10月26日付]

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