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格安ステーキに新チェーン参戦 一人客も入りやすく

日経MJ

ミスジステーキの300グラム。左上のペレットで焼いて食べる
ミスジステーキの300グラム。左上のペレットで焼いて食べる

牛肉の赤身ステーキを売りにする格安ステーキ業態が話題だ。「やっぱりステーキ」や「ステーキ屋松」などが好調だが、新たに大阪発の「ステーキリバーベ」が急速に店舗数を増やしている。今回は9月7日に都内初出店した池袋店(東京・豊島)を取材した。運営は「情熱ホルモン」などを手がける五苑マルシン(大阪市)だ。

リバーベのウリは厚切りの150グラムのミスジステーキがランチだとライス食べ放題、サラダ、みそ汁がついて税別880円。このミスジステーキは300グラムで1480円、450グラムなら1980円となる。リブステーキやへれ(ヒレ)なども用意している。ランチタイム以外はステーキが単品となり、100円ほど値段が上がる。それでも値ごろと言えるだろう。

取材時にはミスジステーキ300グラムに挑戦した。注文して5分もたたずに、表面に焼き目をつけただけのベリーレアで焼かれた肉が鉄板の上でジュウジュウと音を立てて登場。これを好みのサイズにカットして、ペレット(焼き石)で加熱して食べる。

なるほど、キッチンでの加熱時間を短縮し、お客に好みの焼き加減で食べさせることで、混雑時でも効率よく提供できる仕組みだ。

肉の味はかなりあっさりしており、鮮度の良い牛ハツのようで食感は軽い。スジなどは取り除かれており、適度な歯ごたえがあり、赤身肉を噛みしめる楽しさがある。テーブルの置かれたにんにくステーキしょうゆなどのソースに絡めて食べれば、ライスが進み、あっという間に完食した。これなら450グラムでも食べられそうだ。

約50平方メートルの店内に20席とコンパクトだが、ランチタイムは3回転から4回転するほど盛況という。池袋店の目標月商は600万円というが、楽に超えそうな勢いだ。

池袋店は繁華街のにぎわいに負けない派手なファサードが目をひく(東京都豊島区)

五苑マルシンではもともと、大阪市内でステーキレストランを運営していた。昨今の格安ステーキ業態に商機を見いだし、1人でも気軽に楽しめる「ステーキリバーベ」を開発した。8月7日に大阪府池田市に1号店を開いた後、関西と関東などで約10店を展開。今後はフランチャイズチェーン(FC)による出店拡大を目指すという。

商品開発の担当者は「コロナ禍で良物件を取得しやすい、いわばチャンス。メニューを絞り、調理を単純にすることで、経験の浅いアルバイトでもオペレーションしやすい」と話す。

リバーベは1人客に向くメニュー構成なので、カウンター型での出店も多く、ラーメン店や焼鳥店などに居抜き物件をリニューアルしやすい。

オペレーションを簡略化することで、少人数で運営でき、ラーメンよりも手軽に作れて、開業しやすいというメリットもある。

最近、飲食店を取材していると、業態を問わず1人客や2人客が増えているという。リバーベなら間仕切りもしやすいレイアウトになっており、足踏みせず、外食のニューノーマルに挑戦しやすいと筆者は感じた。ライバル業態の動向を含め注目したい。

(フードジャーナリスト 鈴木桂水)

鈴木桂水(すずき・けいすい)
フードジャーナリスト・食材プロデューサー。おいしいお店から繁盛店まで、飲食業界を幅広く取材。“おいしい料理のその前”が知りたくて、一次生産者へ興味が尽きず産地巡りの日々。取材で出合った産品の販路アドバイスも行う。

[日経MJ 2020年10月23日付]

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