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新型コロナウイルスの感染拡大で消費者の健康志向が高まり、ヨーグルトなど乳製品に強みを持つ森永乳業への注目が増している。常温で120日保存できる「のむヨーグルト」など、独自技術を生かした高機能商品の開発でも存在感を発揮する。コロナ後を見据えた成長戦略や、筆頭株主の森永製菓との関係などを宮原道夫社長に聞いた。

ヨーグルトは機能性前面に

――コロナ禍の巣ごもり需要で家庭用の乳製品が伸びています。ヨーグルトでは高付加価値品に力を入れていますね。

森永乳業は6月、常温で120日保存できる「1日不足分の鉄分 のむヨーグルト」をECで発売した。

森永乳業は6月、常温で120日保存できる「1日不足分の鉄分 のむヨーグルト」をECで発売した。

「今、まさに強化しているところです。高機能商品はコロナが広がる前から、健康寿命を伸ばすことなどをテーマに高齢者らのニーズが増していました。しかし当社は『森永アロエヨーグルト』の大ヒットを受けてフルーツヨーグルトに比重が傾き、機能性商品の展開は後れをとってしまった経緯があります」

――高機能品は競合の激しい分野です。成長戦略をどう描きますか。

「重視するのは『ビヒダスヨーグルト』など主力8ブランドの成長です。売上高も利益も基幹商品が稼いでいるので、ここが伸びると基礎体力がより強固になります。もう一段の成長には、機能素材を生かした新事業や商品がエンジンになると考えて、取り組んでいるところです」

「宇宙航空研究開発機構(JAXA)から宇宙日本食の認証を受けた『森永ミルク生活(宇宙用)』は、幼児用ミルクをもとに大人が1日に必要な栄養素やカロリーを加えたものです。ビフィズス菌やラクトフェリン、シールド乳酸菌など、我々が持っているトップクラスの素材を投入しました」

「当社には100年の歴史があり、特に牛乳や調製粉乳を中心に幅広い知見があります。コロナ禍で健康栄養面への意識が今まで以上に強まるなか、こうしたニーズに我々の独自機能素材が役立つはずです。ただ求められているのは、しっかりとしたエビデンス(証拠)です。研究でしっかりとした裏付けをとる必要があり、ここがより重要になっています」

ECの販売増加、商品提供を強化

――コロナ下でネット購入が増えています。販売施策ではどのような手を打っていますか。

「電子商取引(EC)の販売が増えてきたところに、新型コロナの感染拡大でその流れに拍車がかかりました。今年1月にはEC事業統括部を立ち上げ、大手プラットフォーマーへの商品提供を強化する体制を整えました。ECはとても重要なチャネルです。自社商品を『いつでも・どこでも・ECでも』供給できるよう取り組んでいます」

「常温で保存できて、賞味期限も長いヨーグルトを開発し、EC向けに先行発売しました。ネット通販はケース買いが目立ちますが、家庭の冷蔵庫はスペースに限りがあります。常温保存ができる商品だと、好きなときに冷やせます」

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