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働き方・学び方
リーダーの本棚

2020/10/17

リーダーの本棚

変革期のリーダー像を示してくれる小説が『峠』です。主人公は越後長岡藩の家老、河井継之助。幕末の奔流の中で敗者になっていきますが、正義を重んじ、志を貫く武士の美意識が描かれます。よくぞ彼に光を当ててくれたと思います。『蝉しぐれ』はすがすがしい武士の生き方にひかれ、仕事で壁にぶち当たると手にとる本です。

いまは再生可能エネルギーを手掛けるレノバの会長に就き、若き経営者と二人三脚で新分野に挑戦している。

21世紀は再生エネによって、グリーンで自立可能なシステムを築いていく必要があります。地域を大事に、そして地球を大事にするエネルギー革命だとの思いで取り組んでいます。

日本の電力史では、「電力王」と呼ばれた松永安左エ門の存在が欠かせません。戦時下で国有化された電力事業を民営化し、戦後の9電力体制をなし遂げました。これこそ日本の電力産業の革命です。松永翁の生涯を記した『爽やかなる熱情』は、いまの経営にとってたくさんの示唆があります。

当社の事業は、近年高まるSDGs(持続可能な開発目標)の達成へ向けた取り組みの真ん中にあるといえます。『SDGs』は、その理念と行動を理解するのに格好の書です。

これから日本は、米中2大強国のあいだでどう進むべきか考えていかなければなりません。中国の発展は、鄧小平を抜きに語れません。米ハーバード大学の政治学者が10年間に及ぶ綿密な取材で書き上げた『現代中国の父 鄧小平』は必読の書です。習近平政権に至る道が見事に浮かび上がります。

経営者として私も、ここまで経験を重ねてきました。稲盛さんの数々のことばは『生き方』に納められていますが、いまだ自分はきちんとできていないと反省ばかりしているのが本音です。未熟な一介の書生の気持ちでいます。

(聞き手は編集委員 藤田和明)

[日本経済新聞朝刊2020年10月17日付]

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