アンダーアーマー旗艦店 ヨガイベントで女性も集客

日経MJ

女性客を意識した店作りをするアンダーアーマーブランドハウス新宿(東京都新宿区)
女性客を意識した店作りをするアンダーアーマーブランドハウス新宿(東京都新宿区)

米スポーツ衣料ブランド「アンダーアーマー」が岐路に立っている。日本ではドーム(東京・江東)が展開し、プロスポーツチームのユニホームにも採用され、知名度を高めてきた。ただ、主力商品であるインナーシャツは他社との競争が激しくなるなど、売り上げは苦戦している。スポーツ上級者の御用達ブランドというイメージの刷新を目指し、女性客の開拓に力を入れる。




白やグレー基調の内装で入店しやすい雰囲気作り

白やグレーを基調とした内装に、ヨガなどに使えるスタジオ――。2019年9月に開店したアンダーアーマーブランドハウス新宿(東京・新宿)。3階建てで総売り場面積約1500平方メートルと、アンダーアーマーのアジア最大級の店舗だ。グローバル旗艦店と位置付けられたこの店の特徴は、女性客の取り込みを目指した店作りにある。

従来の店舗は黒が基調なのに対し、白やグレーを多く使い、親しみやすく入店しやすい雰囲気にこだわった。2階は女性向け商品の専用フロアだ。これまでの主力店舗では女性向けの売り上げ比率は1割程度だったが、新宿では2~3割。店内にはトレーニングができるスタジオも設け、ヨガイベントなども開催する。

女性客に注力するのは、主力商品であるインナーシャツや男性向け商品で苦戦しているためだ。

アンダーアーマーは1998年に日本に進出。スポーツ用のインナーやシャツとして使える「コンプレッションシャツ」を中心に男性客の支持を集めてきた。汗を吸って重くなりやすい従来のコットン製シャツに比べて吸汗速乾性に優れ、肌に密着し、激しい運動時でも不快感が少ないことなどが評価された。

これまでにプロ野球の読売ジャイアンツ、サッカーJリーグの大宮アルディージャといったプロスポーツチームにもユニホームなどを提供してきた。

だが近年は大手各社もコンプレッションシャツの品ぞろえを充実させ、競争が激しい。また、従来は比較的高価格帯の商品が多かったが、中低価格帯を増やしたことも、「ブランド価値の毀損につながった」(ドーム)という。

19年はブランドハウス新宿が開店したが、19~20年に銀座や原宿、渋谷といった都内の店舗を閉店。ドームの売上げは「8割以上がアンダーアーマー事業」(同社)といい、東京商工リサーチによると、17年12月期に459億円だった売上高は18年12月期には前年比約7%減の426億円。19年12月期も同約12%減の376億円と苦境が続く。顧客層の拡大には、現状は2割程の女性客の売上高比率を高めることが不可欠だ。

中村アンをブランドアンバサダーに起用

販促活動でも、アスリートよりも親近感を持ちやすい女性タレントを起用。中村アンさんが4月にブランドアンバサダーに就任すると「20年4~9月期は電子商取引(EC)サイトでの女性商品の売り上げが前年比5割伸びた」と効果も出てきた。

ブランドハウス新宿で開催するヨガイベントは参加者の9割が女性という。新型コロナウイルスの影響もあり、これまで開催頻度は高くなかったが、今後はコロナの状況も見ながら週に3回程度の開催を計画する。既存客の単価向上や、新規客の取り込みにつなげたい考えだ。

(片山志乃)

アンダーアーマーは1996年にアメリカで展開を始めた。アスリート向けの衣料やシューズなどを取りそろえ、アジア、欧州でも様々な競技で広まった。日本での主要購買層は20~40代の男性。主力のコンプレッションシャツは2000円台からで、機能性が高い商品の開発にも注力する。

[日経MJ 2020年10月16日付]


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