アルコールの次、50年見据え研究

――社長になり5年目。ここまで想定通りに経営できましたか。

「強いビール事業でグローバル化を図るという点では、よい案件に恵まれ、他社から事業を獲得することができました。グローバル化で計画を上回る取り組みと成果を達成できたと思っています」

――国内は。

「国内は私の力不足もあって、計画通りにはいっていない。ここは強化しないといけない。母国で強いブランドでないと通用しません」

――スーパードライのてこ入れを訴えすぎると、その副作用でなかなか他のブランドが育たない悩ましさがありませんか。もう一つすごく強いブランドが欲しいところですね。

「そうですね。(トヨタ自動車で言えば)レクサスみたいなね」

――とはいえ、それは簡単なことではない。

「ですから50年に向けて、アルコールに代わり、人をリラックスさせる物質はなんなのかということも既に研究しているんですよ。そういうものが事業になってくるかもしれません。たばこの業界では米フィリップ・モリス・インターナショナルが加熱式たばこを出した例がありますね」

――フィリップ・モリスの「煙のないたばこ」で業界は一変しました。

「群れを離れ、氷の上から一番に海に飛び込む『ファーストペンギン』になるのが理想ですね」

(聞き手は日経MJ編集長 鈴木哲也)

小路明善
1975年青学大法卒、アサヒビール入社。営業や10年間の労組専従を経て、経営戦略や人事戦略、事業計画推進などを担当。2011年アサヒグループホールディングス取締役とアサヒビール社長を兼務。16年アサヒGHD社長兼最高執行責任者(COO)、18年から社長兼最高経営責任者(CEO)。長野県出身、68歳。
■国内酒類、立て直し不可欠
 アサヒグループホールディングス(GHD)は大型買収を進めてきた。世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI、ベルギー)から2016~17年に計1兆2千億円で欧州事業を、20年には豪州事業を1兆1千億円で取得した。海外売上高比率は15年度の1割台から20年度には4割弱となり、利益でも海外が国内酒類を上回る見通しだ。
 課題は国内酒類だ。スーパードライは最盛期に2億ケース弱を販売したが、コロナ禍の影響も重なり、20年はブランド単体で6640万ケースまで減りそうだ。ビール減税で「ビール回帰」を狙うが、発泡酒や第三のビールの人気は根強い。市場や酒類ごとに強いブランドを育てる総合戦略が問われている。
(後藤健)

[日経MJ2020年10月11日付]

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