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トップストーリー

2020/10/10

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オンライン海外旅行にも参加した。阪急交通社の「おうち旅」。アフリカのサファリ、アラスカのオーロラ観賞――。商品名を見ただけでわくわくするプランが並ぶなか、近くて行ってみたいと考えていた台湾ツアーを選んだ。料金は1人6980円、90分。パイナップル味のあんが入った焼き菓子や布製バッグなどのお土産付きで、出発前に自宅にどっさり届いた。

同社も「Zoom」を使い、パソコン画面で国内のとある空港に集合する。現地ではガイドがバスに乗り込み台北、九份(きゅうふん)などを生中継。当日は晴天で、九份の高台にあるレストランから見下ろす景色や料理からのぼる湯気が映されると、「きれい」、「おいしそう、値段はいくら?」など、チャットでやり取りされ盛り上がった。

国内、海外と1つずつ参加した。いずれも90分の行程で参加前は短いと思ったが、パソコン画面を集中して見るにはいい時間と感じた。映像はガイド視線で映されたもの。興味がある場所などを時間をかけて探求することはできないが、リアルのバスツアーなどに参加しても同じだろう。

国の観光需要喚起策「Go To トラベル」が始まり、10月からは東京発着分も追加された。ただ、コロナ禍は収束の兆しが見えず、遠出をためらう人は多い。オンラインツアーは旅行業約款が適用されないため「Go To トラベル」の対象外だが、気分転換や目的地探しなどにはもってこいかもしれない。

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若い世代・親子連れに人気

阪急交通社のオンラインツアー「おうち旅」はお土産も魅力(写真は台湾ツアー)

オンラインツアーは観光地の映像を流し、画面を通じ参加者が交流できる仕組みだ。旅行会社が需要減を補うために開発した商品だが、阪急交通社総合戦略室課長の上枝統志さんは「若い世代の需要をつかめた」と話す。通常のツアー客はシニア層が大半だが、オンラインツアーは30代以下が3~4割を占めることもあるという。

親子連れも目立つ。横浜市在住の孔井真梨子さんは愛知県に住む両親と琴平バス、阪急交通社のツアーに参加、「親の様子も分かり、会話のきっかけにもなる」と話す。市場に詳しい博報堂統合プラニング局の中川悠さんは「時間を共有できる会話が魅力。秘境など行きにくい場所を訪ねる商品に需要が見込める」とみる。

(佐々木聖)

[NIKKEIプラス1 2020年10月10日付]