メニューは18種類、とろろそば専門店 東京・五反田
JR五反田駅前にこのほど、とろろそばの専門店「東京とろろそば」(東京・品川)が開業した。長いもの食感にこだわったとろろをふんだんに使い、幅広い顧客層から好評を得ている。木材を基調とした店内は落ち着いた雰囲気で高級感を演出しつつ、値段は全品490~790円(税別)の間に抑えた。とろろを極めたそばと値ごろ感で都内に数ある競合店との差異化を図る。
東京とろろそばは、アークランドサービスホールディングスの子会社、アークダイニング(東京・千代田)が手掛ける新業態。午前10時~午後11時まで営業しており、広さ約90平方メートルの店内に24席を備える。
店舗の床やテーブルに木材を使用し、壁や天井は黒色で統一した。「『和モダン』を意識した」(アークランドサービスホールディングス)といい、テーブルに大きな盆栽を配置するなど日本らしい雰囲気を醸し出している。
「栄養満点の長いもでスタミナをつけてほしい」(同社)との思いからとろろそばに特化した。メニューは18種類をそろえる。温かいものと冷たいものの両方に対応し、うどんも扱う。長いもは完全にすりおろさず、細く千切りにする。卵の黄身と一緒にかき混ぜて麺をすすると長いものなめらかな舌触りとシャキシャキの食感を同時に味わえる。
東京とろろそばが目指すのは「立ち食いそば店以上、老舗店未満」(同社)だ。椅子にゆっくり座ってそばを食べられるが、価格は1食490~790円(税別)に抑える。足元の客層はサラリーマンだけでなく、若い女性なども多く見られるという。
年内には2号を相模原市の道路沿いに開く予定だ。ロードサイドを中心に出店しているとんかつ店の「かつや」と同様に働く男性客を呼び込む。
足元では新型コロナウイルスの感染が再拡大し、感染予防の徹底が客足回復のカギを握っている。東京とろろそばは飛沫感染を防ぐため、各席をアクリル板で仕切り、客同士が向かい合うカウンターも顔を遮るように板を張った。「コロナ禍でも安心して飲食できる新常態の店舗として消費者にアピールしたい」(同社)
アークランドは1月、東京都渋谷区にたらこスパゲティの専門店「東京たらこスパゲティ」も開業した。たらこを絡めたパスタを基本に豆乳クリームを使ったものや和風だしをかけてお茶漬けのように食べるものなど一風変わったメニューをそろえる。
アークランドはそば専門やスパゲティ専門から一歩踏み込み、他店との差異化を図ろうとしている。
(井上航介)
[日経MJ 2020年10月7日付]
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