腹筋刺激で動きやすい体に 体幹を安定、腰痛予防にも

NIKKEIプラス1

モデルは桜美林大学芸術文化学群講師・渡辺久美
モデルは桜美林大学芸術文化学群講師・渡辺久美

腕や脚など体を思うように動かすには、体幹の安定が欠かせない。そのために必要なのが、腹筋がしっかり機能すること。内臓の働きや腰痛予防にも関わるだけに、腹筋刺激で健康な身体を維持しよう。

腹筋には腹圧をかけて内臓を所定の位置に収めるほか、脊柱(せきちゅう)・腰椎(ようつい)を安定させるなど体を動かす要の役割がある。ちょっとした動作で体がふらついたりする人は腹筋の力が低下しているかもしれない。今回は、運動のなかでも地味で負荷が大きいため避けられがちな腹筋運動に焦点を当てる。うまく刺激すれば十分な効果を発揮する。

まずはイスに座ってできる運動から。自分で負荷を調整しやすい。(1)ロールアップ&ダウンは、上体を背もたれに倒し、また戻すことで腹筋を刺激する。座る位置を浅くするほど負荷が強くなるので、少しずつ浅くしながら「ややきつい」と感じる位置を見つけよう。続いて(2)両手・両脚伸ばし。手と脚を同時に前方に突き出し、その状態を保つ。肩が上がらないよう肩甲骨をお尻の方へ下げる。

さらに(3)両膝引き寄せ。座面に左右の手を添え、背もたれに上体を預けて両脚を伸ばす。次に両膝を曲げて胸元まで引き付け、その姿勢を維持する。慣れたら座面の手を離して前方に突き出す。物足りなければ背もたれに寄りかからずバランスをとってみる。

続いて寝転んで行う運動も試したい。イスに座るより負荷が大きい。まずは(4)ゆらコロン。床にあおむけになった後、上体を起こし両手で両膝を抱えてゴロンゴロンと前後に全身を揺らす。慣れてきたら起き上がった時に足が床に着かないよう一瞬止める。

次は(5)つま先目指す上体起こし。あおむけになり片足を斜め上方へ伸ばす。両手を伸ばした脚のつま先の方へ伸ばしながら上体を起こす(脚を入れ替え20~30秒ずつ)。

さらに(6)クロスアップ。寝転んだ状態から両足首を交差させて真上に伸ばす。片腕を横方向に伸ばし、その方向に上体を伸ばして戻す。

最後は立位で全身を動かす。まずは(7)壁ピッタリ。壁の10センチメートル程度前に立ち、背中を壁に付ける。軽く腰を落とし、その姿勢を保つ。できるだけおなかをへこませる。

次に(8)腿(もも)上げひねり。安定した机などに向かい、両手を机に添えて全身を前傾させる。片膝を引き上げて内側に入れ込む(左右交互に10~20回程度)。腰が反らず、お尻が突きでないようにするのがポイントだ。

さらに(9)バランス上体ひねり。机に向かって、頭が腰の高さになるまで前傾して片手を机に添える。手を添えた側の脚を軸にして、もう片方の脚を床に水平になるまで持ち上げる。そして、上体を軸にした脚方向にひねり込ませる。持ち上げた脚が腰の高さより下がらないよう全身のバランスを保つ。

筋肉は一日にしてならず――。腹筋刺激は運動のなかでも「ややきつい」と感じられ継続が難しいものだ。筋トレのサプリメント(補助)という発想で腹筋運動を捉え直して、無理せず生活習慣に取り入れてはいかがだろう。

(早稲田大学スポーツ科学学術院 荒木邦子)

[NIKKEIプラス1 2020年10月3日付]

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