ネット販売、店頭に負けぬ 美と健康をキーワードにロート製薬 高野愛子さん

ロート製薬の高野愛子さん
ロート製薬の高野愛子さん

ロート製薬が電子商取引(EC)事業に力を入れている。実際の商品や試用品がある店頭販売と違い、ネット画面経由でしか情報を伝えられないECで、いかに商品の魅力を伝えるか。同事業を率いる広域営業部の高野愛子マネージャー(47)は「美と健康をキーワードに消費者とつながる」ための工夫を凝らす。

高野さんがEC営業の専門チームに配属されたのは2014年。それまでロートには同分野の組織がなく、新たにできる部署の最初の担当者として異動が言い渡された。それまで営業や商品企画などいくつもの部署を経験していた高野さんだったが、新たな部署での仕事は暗中模索。何よりスタート時のメンバーは彼女一人だけだった――。

先進企業を研究

「新しい分野の開拓で社内に手本はない。一人きりで何をゴールにすればいいのか、当初は本当に手探りだった」と振り返る。まず始めたのは先進企業の研究だった。EC展開が進む化粧品や日用品メーカーなどの事例を参考に、どんなレイアウトの写真が映えるか、文言には何を盛り込むかを片っ端から調べた。

ECサイトを運営している大手企業を訪ね、見よう見まねで作った素材に対して意見をもらう機会も積極的に設けた。ECサイトごとに定型や販促上の決まり事が異なるため、当初はサイト運営のノウハウの吸収に徹した。「当社の商品を提案に行くというより、ひたすら教えを請いに行くという感覚だった」

徐々に分かってきたのは店頭販売と比べたときのECの弱点だ。店舗なら店員が商品の案内や説明をしてくれるが、ECでは消費者自身が商品を探し当て、購入の判断をする。消費者が何を求めているかを理解した上で商品をECサイトに載せないと、効果的な売り込みは難しい。

EC販売ならではの苦労をしたのは、天候の変化に伴う頭痛向けの治療薬「キアガード」の営業だ。キアガードはECでの先行発売が決まっており、商品としては「知名度ゼロ」からのスタート。ネットで商品名から検索される可能性は低く、消費者をどうやってサイトまで誘導するかが最大の課題だった。

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