食品冷凍の新常識 卵・キノコ・アサリ…うまみ増す

NIKKEIプラス1

水分多い食品 新食感楽しむ

水分が多い食品は冷凍に向かないといわれてきた。解凍すると水分が流れ出て、食感が変わってしまうからだ。しかし、その変化を逆手にとって新食感を楽しむ手もある。

その一例がこんにゃくだ。ひと口大に切って冷凍したら、湯をかけて解凍する。水分を絞るとスポンジのようになり、味がしみこみやすくなる。下味を付けて唐揚げにすれば、かみごたえたっぷりで味わい深いひと品が完成する。

「豆腐の冷凍もいい」と石崎さん。解凍すると水が出てスカスカの状態だ。「軽く水を絞って、好みの調味料で味付けすると、鶏肉のような味わいになる」。おかずがあと一品ほしいときに役立ちそうな簡単料理だ。

ホウレン草などの葉物野菜はゆでて冷凍するのがいいといわれているが、忙しいときは生のまま凍らせてもいい。「ホウレン草に含まれるビタミンなどの栄養素は、冷凍では壊れにくい」(石崎さん)

スープや煮込みなどに使う野菜も切って、冷凍しておくと便利だ。野菜はかたい細胞壁に覆われており、生のままでは栄養素を効率的に吸収できない。冷凍で細胞壁が壊れると、栄養素がスープのなかに流れて溶け込み、体に吸収されやすくなる。野菜にも味が染み込みやすくなり、一石二鳥だ。

時短調理にも役立つ。冷凍したトマトは水をちょっとかけるだけで皮がつるりとむけ、湯むきの手間が省ける。魚はしょうゆやみりんにつけて冷凍すると、解凍してから下味をつけるより調理時間が短縮できる。

薄切りのキュウリは解凍して水気を絞る。すると、塩もみ後と同じような状態になり、「すぐに酢の物などに使える」(露久保さん)。

「タマネギのみじん切りを冷凍しておくのもおすすめ」(石崎さん)。細胞が壊れて糖分が溶け出しやすくなる。短時間で甘くなるため、炒める時間の短縮になる。

食材を冷凍するときは小分けにしたり、薄く切ったりするなどし、早く凍る工夫をしよう。約1カ月をメドに食べ切るようにしたい。普段冷凍しない食材も、冷凍の仕方や使い方で新発見がある。ぜひ試してみよう。

(ライター 土井 ゆう子)

[NIKKEIプラス1 2020年9月19日付]

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