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中国で中秋節のお祝い宴会自粛? 月餅1箱3000円

日経MJ

広東省広州市の料理店「広州酒家」では、多い日に1600箱以上の月餅が売れる
広東省広州市の料理店「広州酒家」では、多い日に1600箱以上の月餅が売れる

中国では旧暦の8月15日を「中秋節」として祝い、満月をかたどった菓子「月餅」を贈り合う習慣がある。2020年は10月1日が中秋節に当たり、飲食店や百貨店の月餅売り場は早くもにぎわっている。4個入りで1箱200元前後(3千円前後)が売れ筋だ。

「週末なら多い日で1600箱以上は売れるよ」。南部広東省広州市の老舗料理店「広州酒家」の店員はそう話す。同店では中秋節に向けて7月から月餅の販売を始めた。9月上旬の平日午後に訪れると、月餅を何箱も注文する人でごった返していた。1番人気は、アヒルの塩漬け卵が2個入った月餅4個セット(1箱186元)。1個当たりの重さは200グラム近くあり、ずしりと重い。

同店では他にも果物を盛り込んだ甘い味の月餅など様々な種類をそろえる。中国では「スターバックス」や「ハーゲンダッツ」といった外資系の飲食店や、外資高級ホテル・ブランドもこぞって月餅を販売し、若者の人気を集めている。

調査会社の艾媒諮詢によると、中国の月餅の販売個数は19年に13億8千万個で、人口1人当たり1個近く消費される。

月餅は暮らしと身近なだけに市民の関心も高く、例年話題になるのが過剰包装の問題だ。中国政府は2000年代後半から月餅などの過剰な包装を禁じる措置を相次いで打ち出した。10年には包装コストが商品価格の20%を超えてはならないと義務付けた。最近では月餅のばら売りや、従来より小さい「ミニ月餅」の販売も増える傾向だ。

20年は別の意味で月餅が話題になりそうだ。習近平(シー・ジンピン)国家主席は8月、飲食の浪費をやめるよう指示を出した。一部中国メディアは中秋節で宴会が自粛される可能性があると指摘する。新型コロナウイルス問題も懸念だ。中国は欧米などより感染を抑えているが不要不急の面会を控える動きは残る。

結果として、月餅を贈り合う機会が減る可能性がある。広州市内の百貨店にある月餅の特設売り場の店員は「(9月上旬時点で)例年と同じ売れ行きだが、今年は新型コロナの影響が出るかもしれない」と心配していた。

(広州=川上尚志)

[日経MJ 2020年9月13日付]

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