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コロナでバレエの意義実感 海外の日本人ダンサーは今

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NIKKEI STYLE

バレエ界では、日本人ダンサーが欧米やアジアなど世界各地で活躍する。新型コロナウイルスの感染拡大は彼らの活動に何をもたらし、どんな影響があるのか。欧州の2人の話から探る。

◇   ◇   ◇

「大変でしたが、自分と向き合う時間を持てました。舞台芸術の意義についても考えることができた」

モナコ公国モンテカルロ・バレエ団で、最上位のプリンシパルとして長く活躍する小池ミモザ(37)は、コロナ禍による自粛生活をこう振り返る。振付家ジャン・クリストフ・マイヨーが率いる同バレエ団はスタイリッシュで、現代への示唆にも富む新作バレエを数多く生み出している。

同じ空気を共有

モナコでは、3月半ばからいわゆる「ステイホーム」で、外出には許可が必要になった。不便ではあったが、バレリーナとして踊るだけでなく、振り付けや芸術研究機関の仕事などで多忙だった日々からは一時的に解放された。「映画を見たり、新作の構想を練るなど、いつもとは違うことができました」という。

そして7月、外出規制緩和を受け、南仏の美術館でソーシャルディスタンス(社会的距離)を保ってパフォーマンスを披露した。「お客様と同じ空気や空間をシェアする舞台芸術が、生きていく上でとても大切なものだと改めて気づいた」。コロナ禍を機に広がった公演の配信を否定しないが「舞台作品は、お客様の身体にじかに伝わるもので、精神やイマジネーションに与える影響も大きいと思うのです」と観客を前にする意義を説く。

同じ欧州のドイツ・ハンブルク・バレエ団では菅井円加(まどか)(26)がやはりプリンシパルとして活躍する。公演やリハーサルが中止になり「モチベーションを保つのが大変でした。でも芸術監督から毎週のようにメールが届き、安心できた。ボスへの信頼感が前よりも高まった」という。

芸術監督のジョン・ノイマイヤーは、現代バレエ界の巨匠といえる振付家だが、自宅待機を続けるダンサーに対し「地元政府などと何を交渉していて、今後どうなりそうか」など、状況を丁寧に説明し続けた。

やがて少人数でのレッスンが再開する。9月は新シーズンの幕開けとなる新作「ゴースト・ライト」の公演が本拠地ハンブルクで始まったが、リハーサルはソーシャルディスタンスを守り少人数に分かれて行われたため「全体がどうなっているのか、なかなか分からなかった」と笑う。

今後、日本で規制の緩和が進めば、バレエ団は2021年3月に来日し「アンナ・カレーニナ」「バーンスタイン・ダンス」などを上演する予定だ。「『バーンスタイン・ダンス』は私も踊っていますが、ミュージカルの音楽も使われて、楽しい作品ですよ」と菅井も楽しみにする。

小池と菅井が所属するバレエ団は、ボリショイ・バレエのような巨大組織ではないが、強力なリーダーがいて、国際的評価が高く、公的支援もあつい。コロナ禍でもダンサーの立場は今のところ守られている。2人とも「私たちは恵まれている」と口をそろえる。

市場は縮小傾向

もっとも、世界では解雇や給与カットに遭うダンサーが増えているようだ。各国の30人以上のバレリーナが「瀕死(ひんし)の白鳥」を踊り継ぎ、苦境にあるダンサーたちへの支援を呼びかけるサイトもある。

最近、クリスマス・シーズン恒例の「くるみ割り人形」の中止が米国各地で発表された。大量動員が見込める「くるみ」は米国バレエ界の重要な収入源といわれ「今後、経営難に陥る団体も出るのでは」と危惧する声もある。

日本でも公演数が減っている。そのあおりで、7月にバレエ用品を販売・製造する企業が一つ倒産した。日本の場合、欧州と違って年俸や月給制ではなく、出演した舞台数によって報酬を得るケースがほとんどのため、公演数の減少はダンサーの収入を直撃する。国内外で関連市場全体が縮小傾向に入っているとみられるが、そんなときこそ、小池のように、バレエや舞台芸術の存在意義を訴え続ける必要があるだろう。

=敬称略

(編集委員 瀬崎久見子)

[日本経済新聞夕刊2020年9月14日付]

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